2021年8月20日金曜日

1986 (2):“Nippon No Rock Band”

先行したシングル用レコーディングを経て、Kuwata Bandは3月11日よりアルバム用のレコーディングを始める。レコーディング中の4月5日には、ファーストシングルとして「Ban Ban Ban」がリリースされている。

前回の記事で「ハード・ロックやろう」とメンバーを招集したとの桑田のコラムがあったが、それではアルバム制作時点でどのようなコンセプトがあったのかというと、活動の発想の起点であるPower Station周りであったようだ。
「つまりロックのアルバムっていうコンセプトが最初からあったから。具体的には、ロバート・パーマーとかパワーステーションとか、いわゆる黄金のロック系の人、ああいうものの良さってあるじゃない。ロバート・パーマーのルーツはツェッペリンだったりとかして、それでツェッペリンてのはやっぱり新しいんだ、とかという気にみんながなってたのね。『カラフル・クリーム』とかCDで買って来ちゃったりしてさ、聞いてるとカッコいいわけよやっぱり、新しいわけ凄く。これはナウいなと思って、そこから入ってったの。」
(桑田佳祐「ブルー・ノート・スケール」ロッキング・オン、1987)
*Robert Palmerのルーツ云々の箇所は、Power StationのTaylor兄弟の誤りと思われる。

Power Station、そしてRobert Palmer『Riptide』あたりが念頭にあったのは松田のコメントからも推察できる。
松田弘「俺はもともと、打楽器奏者として黒人が好きなんだ。たとえば、シックのドラマー、トニー・トンプソン。」
「俺のイメージでは、白人はすごく器用なプレイヤー、手の動きが早くて、細かいフレーズも完璧にこなす。黒人の場合は、もっと基本的なリズムキープでノリをだしてる。どーんとでっかい迫力があって、しかもガチッと芯を貫いてる。俺は、どっちかというと、後者のドラマーになりたい。(中略)そういうストレートなドラマーを、この1年、目指したんだ。」
(「Kuwata Band "Final" Bokura: Nineteen Eighty-Seven」アミューズ、1987)

ちなみに松田だけでなく、メンバー全員ルーツがある程度統一されていたというのも面白い話である。
川内淳一「みんな黒人音楽、好きだしね。匂いが、似てるんだ。そういうところが、アルバムにも出てると思う。ヒロちゃんは、ずっとディスコでやってたし、俺もそうだし、琢磨さんに至っては、キネヅカ以前は、お互いそんな突っ込んで仕事したことなかったから、驚いてた。僕がロックばっかりやってきたと思ったんだって。バンドをやると、ドラムはプログレあがり、ベースはジャズあがり、キーボードはクラシックあがり、みたいなパターンが多いね。このバンドはちょっと違う。小島にしても、基本はクラシックでパーフェクトだけど、あいつもやっぱり黒人音楽どっぷりだから
(「Kuwata Band "Final" Bokura: Nineteen Eighty-Seven」)
とはいっても結局Power Stationほどファンク方面には寄らなかったようだ。

そしてレコーディングもある程度進んだ時点での松田のインタビューが、一番アルバムの内容を的確に表しているといえよう。
ー レコーディングも後半ということで、かなりKuwata Bandのサウンドの輪郭が現れてきたと思うのですが?そのベースとなるのはどのあたりですか。
松田「メンバーそれぞれの育ってきた時代があるから、けっこう広いね。60年代から70年代……。ヘタするともっと前の音楽が趣味の人もいるし。だけど基本的には、ツェッペリン、パープル、クラプトンといったロックを聞いて、“カッコイイ”と思ってロックに憧れた人たちだから、その辺の感覚に今の時代をプラスした音をやろうと。だから単にナツメロ・ロックじゃないよ。
(「Guitar Book GB 1986年8月号」CBSソニー出版、1986)

また、この路線の背景は、やはりサザンとの差別化と言うのも念頭にあったようだ。
このアルバムに関しては、サザンと差別化するって意味合いもあった。サザンに対して疲れちゃったってのがあってね。だから、「なにくそ、サザン!」ってのがあったね。とにかく違うのをやるんだっていう気負いがあったね。
(「月刊カドカワ 1995年1月号」角川書店、1994)


***


このアルバム収録曲の大きな特徴として、サザンや先行シングル曲のように、桑田がまず作曲、その後バンドでヘッド・アレンジする、という流れを行なっていないことがある。バンドでのセッションでトラック作成を先行させ、その中で主に桑田がメロディをはめ込む、という順序で制作を進めたようで、クレジットは全曲「作曲:Kuwata Band」である。

ー 実際には、レコーディングってどういう風に進行したんですか?まず、桑田さんが曲を持ってくるわけですか?
桑田「いやいや、そうじゃなくて、例えば、レッド・ツェッペリンみたいな、とかそういうアイディアをスタジオでみんなで考えて、そんでまあ、後は全員で勝手にーというか緻密なんだろうけど、ひとりひとりはーやっていく、という。それでみんなで丸くなって音を出して、どんどん積み上げていってという…」
琢磨仁「なんかね、混沌とした中からひとつきっかけが出たら、それを中心としてどんどんイメージを重ねていって」
(「Rockin' On Japan Vol.1」ロッキング・オン、1986)

小島「最初の形は何もないんです。まったくゼロから始めるんです。KBかギターでフレーズを作り出したり、弘さんのリズムから始まったり。気持ちいいフレーズが出てきたらそれで行くって感じです。」
(「KB Special 1986年9月号」立東社、1986)

「アルバムの制作はね、メンバーがアイディアを持ち寄るっていうより、なんか弾いて実践しちゃうんだよね、みんな根性入れて。とにかくバテないの、タフなんだ。」
(「ブルー・ノート・スケール」)

セッションにおける各曲の最初のネタ振りは6〜70年代のいわゆる英米ロック全般であったようだ。
ー 「シール・ビー・テリン」、これはどのようなコンセプトで始まった曲でしょう?
桑田「初め、ピート・タウンゼントみたいにしようって言ってたんだよね」
ー へーえ、かなり違いますね。
桑田「かなり違っちゃいましたね(笑)」
今野多久郎「みんなそうです。初め、何かみたいにしようって言うんだけど、できたものは全然違っちゃう」
(中略)
ー 続いての「オール・デイ・ロング」なんですが…
(全員口ぐちに)「これは長かった」
桑田「これは最初始めた時はね、ストーンズの“エモーショナル・レスキュー”みたいな感じだったの」
ー みんな、最初と違っちゃうんですね。
桑田「全然違うねえ、全然違うメロディやったの、最初は」
琢磨「ラテン・ロックっていうか…」
今野「そうそう、ファンクみたいな要素のあるね」
河内「でも、ギターは完璧にブルースだったもんね」
(「Rockin' On Japan Vol.1」)

収録曲は河内のKeith Richards風ギターなどStonesを感じさせる疾走感溢れる「She'll Be Tellin'」、ネタ振りはRobert Palmerだったという「Zodiak」、仮題が「Led Zeppelin」であったイントロからモロにLed Zeppelinの「Paravoid」、小島のオルガンソロが炸裂する「"Boys" In The City」、河内ヴォーカルのスウィングもの「Feedback」、ヘヴィな「Devil Woman」などハードに迫る楽曲だけではない。後述するマシンのビートと小島のシンセ群、Tommy Snyderのラップなどアーバンな趣きもある「All Day Long」、ポップなサザン・ロックの香りもする「Believe In Rock'n Roll」、音数控えめで渋めに迫る「You Never Know」(終盤はZeppelin的か)、シャッフルの「Red Light Girl」、60'sブリティッシュもの「Go Go Go」、河内のDuane Allman風スライドが心地よい「I'm A Man」など、それなりにバラエティに富んでいる。ハード・ロック一辺倒というわけではなく、あくまで「ロック」に拘った、というところのようだ。バラードを入れなかったのはなるべく湿っぽくないアルバムにしようという意図があったのだろう。


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ゲスト・プレイヤーは少なく、「She'll Be Tellin'」「Zodiak」「"Boys'" In The City」で矢口博康、「Red Light Girl」「Feedback」では包国充、「Go Go Go」で八木のぶお、とこれまでのサザンでもおなじみのプレイヤー3名のほか、「You Never Know」で中西俊博が桑田関連では初参加している。

そしてこのアルバムでの特色として、コンピューター・オペレーションがいつものヨロシタ・ミュージック系の藤井丈司ではなく、ハンマーの小泉洋が担当していることが挙げられる。小泉はもともと最初期TMネットワークで実質的なサウンドの要としてコンピューター・オペレーションを担当、その後ムーンライダーズ・オフィスから森達彦のハンマーに所属していた。藤井はスケジュールの都合でシングルのセッションに続き参加できなかったと思われるが、なぜハンマーの小泉に声がかかったのか明確な経緯は不明。小島によるとキーボードはほとんど手引きだそうだが、シンセの音作りや、ドラム・マシンなど、小泉の果たした音作りもアルバムに大きな影響を与えているだろう。「All Day Long」などは松田のプレイでなく、全編マシンによるドラムのようだ。
彼(筆者注:小島)が7人目のメンバーとして名を挙げたのがオペレーターの小泉洋。1テイク目で彼(小島)が思い切りフレーズを弾いたあと、小泉氏と音決めをするというパターン。
(「キーボードランド 1986年8月号」リットーミュージック、1986)
小島「(「All Day Long」について)最初はぜんぜん違うアレンジでやってたんだけど、1回ぶちこわして、1ヶ月たってから、ドラム・マシーンとボクだけで全部弾いてやり直したんです。」
(「KB Special 1986年9月号」立東社、1986)


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そしてこのアルバム用セッションで作られたレゲエ調のメロウな楽曲「Merry X'mas In Summer」は収録が見送られ、アルバムリリース直前にシングル盤として単体でリリースされた。河内だけでなく原由子のコーラスまでフィーチャーしており、サザン感が強い。正式メンバー6人で一から録った唯一のシングルA面曲である。
河内「ほんとうはLPに入れる予定で作った曲。あんまりいいのでシングルになった。」
(「Kuwata Band "Final" Bokura: Nineteen Eighty-Seven」)

この曲のドラムも松田のマニュアル・プレイではないが、プログラミングは松田本人が担当しているようだ。タムだけはシモンズを使う、というのも83年以降の松田の特徴で、「You Never Know」などでもタムはシモンズだ。
松田「これは俺が打ち込んだコンピューターの音を使っている。ドラムオペレーター松田弘の音です。コンピューターに関して、これだけ完璧にやったのは初めて。そういう意味で“俺の音”ってけっこうイイ音してるナなんて自負もあるのです。」
(「Kuwata Band "Final" Bokura: Nineteen Eighty-Seven」)


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トラックの録音の目処が立ったところで歌入れとなるのだが、ここで、この後物議を醸すこととなる全編英語詞問題。後々様々理由が語られることになるのだが、そのきっかけは理屈ではなく、あくまでレコーディング中の、現場での感覚的な判断だったようだ。
ー 英語でやろうというのは、クワタ・バンド結成以前にあったアイデアなのかな、それともメンツ揃えて音だしてからなの?
「メンツ揃えて、音出して。直前ですよ、詞を乗せる最後の直前。一回ギターの淳坊ってのがうたったんだけどさ、すごいものを見たんだよ、日本語と英語のチャンポンでうたったんだけど、それ聞いて日本のミュージシャンてホントにかわいそうなんだなって思ったの。こんなに一生懸命作ってね、淳坊みたいな実力のあるヤツがね、ギターバリバリ弾いて、音バッチリバランス取って決めて、タイコの音から全部決めて、アンサンブルしてアレンジして、さあうたうって時になったら、ギブ・ミー・チャンスで僕のベイビー…ってなると、あーって日本のバンドの現状を見たのね。
(中略)やめようやっぱり、申し訳ないぜ自分のプレイにってさ。逆にサザンていうのはそういうとこで闘ってきたのかもしれないけど、逆手逆手に持ってかないでシンプルな形でストーンとね、ステーキとかスペアリブとかを醤油と箸でどのように食べるかっていうのが俺たちのやり方だったわけでしょ。こんな食べ方あるぜー!みたいなさ。だからそうじゃなくて普通に、ナイフとフォークで食べてナプキンで口をふいたらどうかっていうことだけだったんだよね。」
(「Rockin' On Japan Vol.2」ロッキング・オン、1986)

つまり、「Feedback」のタイトルでアルバムB面5曲目に収録された河内ヴォーカル曲を最初に日本語で歌った際、ハマらなかったので英語にしよう、という判断がそのまま他の桑田ヴォーカル曲を含めた全曲に適用されることになったようである。確かに、こと「Feedback」についていえばスウィング・ビートのソリッドなロックンロールに河内のヴォーカル、これには英語詞がぴったりハマっており、筆者個人としてはこのアルバムのベスト・トラックかと思う。確かにこの曲については、この感覚的な判断は間違っていなかっただろう。

英語詞はゴダイゴ活動停止後、ソロとしてinvitationと契約していたTommy Snyderに急遽依頼され、全曲英語詞で歌われたアルバム『Nippon No Rock Band』は7月14日(CDのみ1週間後の20日)にリリースされた。先行して7月5日に「スキップ・ビート」「Merry X'mas In Summer」の2枚がシングル・リリースされている。


2021年6月25日金曜日

1986 (1):『kamakura』後、Kuwata Bandの結成

というわけで1985年秋、『kamakura』後のプロジェクトの一部を形にすることができなかったサザンオールスターズは、原由子の産休を理由に一旦グループとしての活動を休止し、各自ソロ活動を行う期間をスタートさせる。といっても野沢毛ガニのプロジェクトJapanese Electric Foundation、関口和之ソロは既にこれ以前から企画が進んでおり(83年の松田弘以降、ソロ作を出していないのが野沢・関口の両者であった)、両作はサザンの85年プロジェクト終了直後の10月にレコーディングが開始されている。(「KB Special 1986年3月号」立東社、1986/「Guitar Book GB 1986年5月号」CBSソニー出版、1986

原の産休も一つの理由だが、実際のところはそろそろ煮詰まった本体をリフレッシュするために活動休止期間を用意した、というところだろう。
桑田「単純にいうとだから、ちょっと飽きてたというのはありますけど。85年だからもうサザンを7年ぐらいやってるんですよ。なんか飽きるじゃないですか、やっぱりどっか。で、お互いにいいとこも悪いとこもわかっちゃうから。ちょっと一回別れよう、みたいな。」
「やっぱり原さんのこととかで、もっとサザンじゃない形で可能性を探ろう、みたいな。ある意味で半分煮詰まってたけども、ちょっと原さんには悪いけど、逆にそれが前向きになる材料みたいな感じで。」
(「季刊渋谷陽一 Bridge Vol.4 Oct. 1994」ロッキング・オン、1994)
残る桑田、松田、大森のソロ活動を年末にかけて企画することになったと思われる。

そこで桑田が活動アイディアの元としたのが、ArcadiaとThe Power Stationである。Duran Duranの休業期間にバンドメンバーがそれぞれ著名ミュージシャンと別プロジェクトを進行させる、というこの構造をそのまま自身に重ね、サザンの松田を連れ新バンドを結成することにしたようだ。
「クワタ・バンドを、というか、サザン以外のバンドをやってみたいなぁと思い始めたのは一九八五年の暮れ、だっけな……アレを見てたんですよ、アーケイディアとかパワー・ステーションを、MTVでね。こういう方法がメジャーで出来るんだったらっていう、ほんの一瞬の閃きだったんだけども、この閃きを大事にして、「絶対やろう!」みたいなね。」
(桑田佳祐「ブルー・ノート・スケール」ロッキング・オン、1987)

85年までのサザンオールスターズ、特に83年以降のニューウェーブ化は、ビクターのデビュー時からの担当A&R/ディレクター、高垣健の手腕によるところが大きかったことを当時のエンジニア、池村雅彦は示唆している。
池村「プロデューサーの高垣さんが色んな音楽とか新しいプロデューサーやアーティスト、ミュージシャンを勧めて桑田くんを触発していたんですけど、この曲(筆者注:「マチルダBABY」)なんかそういう影響を感じますよね。」
(FM COCOLO『J-POP レジェンドフォーラム』7月はサザンオールスターズを特集!2代目エンジニア池村雅彦をゲストに迎えた番組トークvol.2を公開
この86年以降の展開にどれだけ高垣が関与していたのか、というのも気になるところではある。

85年末の原由子の誕生会において、桑田はスペクトラムのパーカッションでもおなじみ、今野多久郎に新バンドの結成を持ちかける。前述のとおりドラムはサザンの松田、ギターは今野とSTR!Xに在籍していた河内淳一らが召集される。今野は以下のように回想している。
今野「実は、楽器車1台で身軽に、日本中ライブしてまわりたいねっていうのがあったんです。それを12月の原坊の誕生会のときに話して。」
「今じゃ考えられないですけど、はじめは桑田がスケジュール帳を持ってリハーサルスタジオとか押さえるっていうのをやったんですよ。2〜3回やったらさすがにマネージャーに替わっちゃったんですけどね(笑)。
(「証言「1986年」その1 今野多久郎さん」https://www.ongakusyugi.net/special/20161100151a8f15e

サザンとは別のバンドを結成するということで、コンセプトとしては上記のとおり「身軽」「ライブ」というのがあったようだが、結成の時点で明確なサウンドの方向性があったかどうかははっきり語られていない。桑田は当初のセッションについて、以下のとおり語っている。
「で、最初、音合わせみたいな感じで、セッションしてね。」
「ほとんどね、俺のイメージの中にある、一九六四年頃のバンド、ドアーズとかアニマルズとかキンクスとかあの辺の暗さと辛さと悪さっていうか、そういうのに対する憧れだよね。」
「ブルー・ノート・スケール」)

のちに発売されるLP(Taishita/Victor VIH-28259)のライナーのスケジュール(CDではオミットされてしまっている箇所)を見ると、86年1月4日にバンドのリハーサルがスタート、2月8日にはシングルの録音が開始されている。Kuwata Bandの楽曲は、シングルとアルバムで方向性が異なるとはよく言われる話ではあるが、そもそもレコーディングされた時期から異なるようだ。シングル盤記載の参加ミュージシャンやLPのライナー、各種インタビュー等から総合すると、シングルとしてリリースされた楽曲はほとんど初期、2月にまとめて録られ、その後3月11日からアルバムの録音、その先にライブと進めていったようである。

以下は86年3月5日の桑田へのインタビュー。
− それじゃあ、桑田バンドのサウンドっていうか、音はどんな感じ?
桑田「やってみなきゃわかんないっていうか、まず最初に空気から入るから、いつも、例えばスタジオでみんなで音出してみて、お互いに顔を見合わせて、“あっ、ヒロシとキーボードの誰それが気持ちよさそうにやっているかな”、そういうところから入るでしょ。」
− ということは、もうでき上がっているシングルとアルバムは全く別のものだということになるんですか?
桑田「う〜ん、シングル月間とアルバム月間があるから(笑)ただ、バンドのサウンドとしては一本筋を入れたいなって気はしてる。」
(「Guitar Book GB 1986年5月号」)

ただし、同年3月中旬〜下旬と思われる(メンバー紹介では後述する正メンバーが揃っているが、コンピューター・オペレーションは藤井丈司のみの記載)桑田の連載コラムでは、バンドメンバーの招集のエピソードに絡めてハード・ロック宣言が行われており、もしかしたらバンド結成の時点で方向性は既に決まっていたのかもしれない。

で、私、これだけの仕事師のメンバー何つって集めたかというと、これが、
「ハード・ロックやろうよ」
という、何かイキナリ金○ギュッとつかむようないい方なのね。
ハード・ロック。私は次のアルバムはこれで当ててみせる。別に売ろうとは思ってないの。そういうつもりでは作ってない。話題になりゃいんだから。ハード・ロックでウケてみせるよ"桑田バンド"は。
(「週刊セブンティーン 1986年4月22日号 桑田佳祐の有言不実行日記 26」集英社、1986)


***


アルバムのセッション以前に録音された楽曲が以下と思われる。

 ・Ban Ban Ban
 ・鰐
 ・スキップ・ビート
 ・One Day
 ・Smoke On The Water
 ・神様お願い

4曲は桑田のペンによる新曲、もう2曲はそれぞれDeep Purple、ザ・テンプターズのカバーである。

桑田の新曲は特にサザンと路線を変えようという意図は見られない。甘酸っぱいこみ上げ系メロディを骨太な演奏と過剰なエコー(70年代のPhil Spectorでも意識したのだろうか)で包んだ爽快感溢れる「Ban Ban Ban」(サビの美久月千晴のベースが最高である)。85年秋には楽曲は存在していた?アフリカン的な香りも漂う「鰐」。サザンでもおなじみ(しかしこれが最後)新田一郎セクションとEPOを起用した緩めのグルーヴが心地よいファンキー路線猥歌「スキップ・ビート」。バンド結成直後に書かれたという、John Lennon「Love」辺りを念頭に置いたと思しきシンプルなバラード「One Day」…と、いつもの桑田らしくバラエティに富んだ楽曲群である。
「実際にオリジナルの曲をやり始めたのはね…、ちょうど資生堂の話が来たんで、「こりゃーいいぞ」と思ってさ、面白いわけよ。俺のバンドは小回りがきくんだよ、みたいな。」
「で、まずその資生堂の CMソングだっていうのを意識して、よしじゃあメジャー展開を考えていいんだなという部分で、“スキップ・ビート”と“バン・バン・バン”を作ったの。ちゃんとした形としてできたのがその二曲と“メリー・クリスマス・イン・サマー”。だから十割でしょ、打率は(笑)。“ワン・デイ”も正月に出来てたから、もう十二割。」
「ブルー・ノート・スケール」)
*「Merry X'mas In Summer」は作曲クレジット・参加ミュージシャンやメンバーのコメントから、アルバムセッションでの録音と思われる

さて残りのカバーの選曲である。これらは86年3月からオンエアの、サザン出演(!)のTDKカセットテープ・ADのCMに使用されたので、それを前提に企画されたカバーか、はたまたハード・ロック・バンドの肩慣らしとしてのカバー・レコーディングをCMに流用したのだろうか。

「Smoke On The Water」はDeep Purpleの72年のアルバム『Machine Head』収録曲。アメリカではシングル・カットされチャート4位の大ヒットを記録した、ブリティッシュ・ハード・ロックおなじみのナンバー。ここまでの桑田関連の路線からは異色の選曲だが、高校時代、自身のバンドで取り上げていたこともあったようだ。以下、高校時代のクラブの定期コンサートを回想した桑田のコメント。
桑田「そんときやったのは三曲かな。ステッペン・ウルフの「ワイルドで行こう」とジョン・レノンの「ウェル」と、あと「スモーク・オン・ザ・ウォーター」ね。」
− ディープ・パープル!?
桑田「そ。」
− すごいね。その辺の混乱した感じが。
桑田「結局、あのリッチー・ブラックモアのギターってのが、やっぱり象徴だったんだよね。ハード・ロックに傾倒すると、あの人のギターに行っちまうっていうようなさ。だって感動的なんだもん。かっこいいっていうか。俺、グランド・ファンクのマーク・ファーナーってのも好きだったけど、それよかうまいやつがいるって感じで。」
− へえ、ハード・ロックもやってたんだ。
桑田「でもね、本気でやってたのは「ウェル」なんだよね。知ってる?ジョン・レノンの。あっちがやっぱり根本だった。」
(桑田佳祐「ロックの子」講談社、1985)

「神様お願い」はザ・テンプターズ68年のセカンド・シングルで、バンドの松崎由治のペンによる楽曲。当時の桑田にとっては日本語曲のカバーというのも珍しい。テンプターズについて、桑田はリアルタイムでのGS経験をテンプターズとかオックスとか好きだった。」(「ロックの子」)と語っており、フェイバリット・グループだったようだ。サウンドは「Smoke On The Water」のように重厚に仕立てているが、自分と同年代のミュージシャン達の中でのクラシックとしての選曲だったのだろう(例えば、この前後で桑田とプライベートで急接近している山下達郎は、以前から自身のラジオ番組でGS特集を組む際、フェイバリット曲として必ずこの曲で特集を締めている)。

TDKのCMは「Smoke On The Water」編が3月、「神様お願い」編は7月からそれぞれオンエアされた。特に「神様お願い」編は、黒縁眼鏡の桑田を含むビート・バンドに扮したサザン5人と熱狂するギャラリーの様子がモノクロで展開される、珠玉の出来の映像である。「神様お願い」はシングル「Merry X’mas In Summer」のB面に収録されたが、「Smoke On The Water」のスタジオ録音は2021年現在商品化されていない。


***


上記楽曲では、キーボードは『kamakura』セッション後半で原由子の代打も務めたDang Gang Brothers Bandの大谷幸、ベースは美久月千晴による演奏のようだ。86年4月5日リリースの「Ban Ban Ban」7インチシングルでは、大谷・美久月の両名は藤井丈司とともにゲスト・ミュージシャンとしてクレジットされ、バンドのメンバーは桑田、今野、松田、河内の4名のみとなっている。
「どのようなメンツにしようかっていうのは……俺はね、手帳買っていろいろ好きなミュージシャンを書いてたの、そんなにたくさんじゃないけど。河内淳一とか今野多久郎とか美久月千晴とか書いてたのね。その中でもスケジュール的にもダメな人間が二、三人出てきて、ダンガン・ブラザーズの大谷とか」
(「ブルー・ノート・スケール」)

86年3月5日のインタビューではこのように語っている。
桑田「ドラムはヒロシで、あとギターは河内淳一、パーカッションは今野タクロー、元スペクトラムにいた人。基本的にはこの4人のプロジェクトで、ベースとキーボードは流動的になりそう」
(「Guitar Book GB 1986年5月号

シンセのオペレーションは『kamakura』に続き藤井丈司が担当していることもあり、直近のサザンの要素が骨太の演奏と見事に融合したのがこのシングル曲たちといえる。メイン・エンジニアは『kamakura』までの池村雅彦から今井邦彦に担当変更、音像は新たな印象に。今井は『kamakura』でアシスタントの代打として参加したのをきっかけにそのままアシスタントに定着、「Brown Cherry」ではミックスを担当(「サザンオールスターズ公式データブック 1978-2019」リットーミュージック、2019。ここから桑田/サザンのレコーディングは、アシスタントの若手エンジニアをメイン担当にピックアップする手法が続いていくことになる。


***


その後、キーボードはBaker's Shopの小島良喜、ベースはザ・ナンバーワン・バンドの琢磨仁が固定メンバーとして加入。
「それでまあ、オーディションをして、小島良喜っていうのと琢磨仁さんってのが最後に入って来たんだよね。で、一緒にやってみて俺は、「ああ良かった、良かった」って感じなのね。
(「ブルー・ノート・スケール」)

ようやくメンバーが確定したところで、同時代的メロウなブリティッシュ・ファンク風?「Pay Me」を録音。作曲はバンド名義となっているため、トラックを先に作り、その後桑田中心にメロディを作る手法を取ったと思われる(後のLPに繋がる流れである)。ラストにTommy Snyderのラップが入るのも面白い。
琢磨「PAY MEはやってます。これはすごくおしゃれで素敵な、僕の好きな曲のひとつ。前からあった素材を急遽引っ張り出して、みんなで盛り上がって、夜の2時ぐらいからいきなり2時間ぐらいで録ってしまった。」(「Kuwata Band "Final" Bokura: Nineteen Eighty-Seven」アミューズ、1987)
そのまま、アルバムのレコーディングが開始されることになる。

なお、その後のTDKのCMで流れた2曲、Creedence Clearwater Revival「Have You Ever Seen The Rain(雨を見たかい)」のカバーについては、琢磨が「僕がやってます」(「Kuwata Band "Final" Bokura: Nineteen Eighty-Seven」)と発言していること、またPinetop Sparks(というよりはB.B. King)のカバー「Everyday I Have The Blues」 もCMのオンエア開始が最後だったことから、これらはメンバー6人が揃ってからのレコーディングと推察される(出演は最後までサザンであった)。「Have You Ever Seen The Rain」はシングル「One Day」のB面としてリリースされたが、「Everyday I Have The Blues」は未商品化。

また、86年7月以降にリリースされた「スキップ・ビート」「One Day」については、「Kuwata Band "Final" Bokura: Nineteen Eighty-Seven」の小島のコメントによると、小島によるキーボードのダビングや差し替えが行われている。さらに、「スキップ・ビート」「Pay Me」「One Day」については、当時小島と同じ事務所に所属していた古川貴司がマニピュレーターとして参加している(「KB Special 1986年9月号」立東社、1986)。これはおそらく藤井丈司がEPO『Pump! Pump!』のレコーディングのため、3月初旬にはKuwata Bandのレコーディングを離れた影響と思われる。

2021年6月14日月曜日

Bookham And Riskett 「We Got A Love」[Ken Gold Songbook]

1976年にKen Gold-Mickey Denneコンビ作でリリースされた、Bookham And Riskett唯一のシングル、「We Got A Love」のご紹介です。

Bookham And Riskettは女性2名のコンビで、Joanne WilliamsとVicki Brownの変名ユニットのようです。Joanne Williamsはもともと英Alaskaからソロシンガーとして前年75年より数枚のシングルをリリースしていました。Vicki Brownは元The Vernons Girlsのメンバーで、グループ解散後はセッションシンガーとして活動していたようです(77年以降、ソロ作のリリースがあります)。どういった経緯でこの2名が引き寄せられシングルをリリースすることになったのか経緯は不明ですが、シングルのA面には当時The Real Thingのヒットを飛ばしていたGold-Denneコンビの作品が取り上げられることになりました。

「We Got A Love」は76年3月に英Alaskaからリリースされました。プロデュースはJohn Schroeder、アレンジはMike Moran。Goldは完全に作曲家としての関与のみのようです。John SchroederはHelen Shapiroの「Don’t Treat Me Like a Child」「You Don’t Know」などの共作者で、Pye期Status Quoや70年代Cymandeのプロデューサーであり、そしてAlaska Recordsの創始者でもありました。Mike Moranは同時期だとJimmy Helmsのアレンジなども手掛けていますが、テレビや映画音楽も幅広く手掛けており、例えばGeorge Harrison監督総指揮の「Time Bandits」の音楽もMoranによるものでした。80年代後半以降のQueen関連でもよく登場しており、Freddie Mercury & Montserrat Caballéの「Barcelona」なんかもMoranとFreddie Mercuryの共作です。当シングルのB面もMoran作でした。

さてさて「We Got A Love」、楽曲はというとGold-Denneコンビのこみ上げる切なさを孕んだ爽やかなメロディを、Moranによるフィリーソウル調の軽やかなアレンジで包むという、この当時のGold-Denneらしい雰囲気に仕上がっています。しかしMoranのこのアレンジ、どう聴いてもこの4ヶ月後にKen Goldの全面プロデュースでレコードデビューを飾ることになるヴォーカルグループRumours、のちのDelegation「The Promise Of Love」にそっくりです。まあ楽曲自体元になった感はあるのですが…Delegationのシングル盤にはアレンジのクレジットは無くProduced By Ken Goldのみですので、これをヒントにしたのかそれともコンセプトを他のアレンジャーに預けたらこうなったというところかそれともMoranは上物のみなのか、とにかく、このようにポップスの歴史というのは脈々と連なっている、ということがわかるというものですね。


2021年3月21日日曜日

大滝詠一『A LONG VACATION』のバージョン違い

大滝詠一さん『A LONG VACATION』リリースから40年です。このシリーズも久々の記事追加になります。
このアルバムは大瀧さん存命中から『NIAGARA MOON』同様出来に迷いがなかったようで、ナイアガラものでは珍しく、基本的に別ミックスがありません。『SING A LONG VACATION』やFiord7名義のインストと、2011年盤で公開されたカラオケ以外はほぼエディット違いで、ご本人にとっても別格扱いの作品だったのがわかります。40周年Vox収録バージョンについてはのんびり追記しますので、まずはこれまでのバージョン違いについて、以下どうぞ。(2021/8 追記しました)
※80sナイアガラは収録されたオムニバスがかなり多いため、今回以降のまとめではオムニバス作品については挫折・除外しました。すみません。

(2025/5 2025年春リリース関連を追記しました)


●君は天然色

◆Version A 
A LONG VACATION 1981
A LONG VACATION(master sound) 1983
A LONG VACATION 1989
A LONG VACATION 1991/1997
A LONG VACATION 2001
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION SINGLE VOX in NIAGARA CD BOOK II 2014
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition 2021
A LONG VACATION in A LONG VACATION VOX 2021
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version B … Version Aの、イントロ前のカウントまでがカットされたシングル・エディット
君は天然色(Single)
BEST ALWAYS

◆Version C … Version Bのヴォーカルをオルガンに差し替えたインスト・バージョン
SING A LONG VACATION 1982
A LONG VACATION 2001
SING A LONG VACATION in NIAGARA CD BOOK II 2014
SING A LONG VACATION + Fiord 7 in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version D … 井上鑑によるストリングス・インスト・バージョン
NIAGARA SONG BOOK 1982
NIAGARA SONG BOOK 1989
NIAGARA SONG BOOK 1991/1997
NIAGARA SONG BOOK 2013
NIAGARA SONG BOOK in NIAGARA CD BOOK II 2014
NIAGARA SONG BOOK & NIAGARA SONG BOOK 2 in COMPLETE NIAGARA SONG BOOK

◆Version E … Version A/Bの、TVアニメ「かくしごと」用エディット・バージョン
NIAGARA TV SPECIAL Vol.1 in HAPPY ENDING

◆Version F … 5.1chサラウンド・ミックス
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track A … Version Bと同じ尺のカラオケ
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION TRACKS and More in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track B … 「Original Basic Track」、ダビング前のベーシック・リズム・トラック
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION SESSIONS in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track C … Version Aと同じ尺のカラオケ
A LONG VACATION TRACKS and More in A LONG VACATION VOX 2021


●Velvet Motel

◆Version A 
A LONG VACATION 1981
A LONG VACATION(master sound) 1983
A LONG VACATION 1989
A LONG VACATION 1991/1997
A LONG VACATION 2001
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION SINGLE VOX in NIAGARA CD BOOK II 2014
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition 2021
A LONG VACATION in A LONG VACATION VOX 2021
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version B … Version Aのヴォーカルをオルガンに差し替えたインスト・バージョン
SING A LONG VACATION 1982
A LONG VACATION 2001
SING A LONG VACATION in NIAGARA CD BOOK II 2014
SING A LONG VACATION + Fiord 7 in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version C … 井上鑑によるストリングス・インスト・バージョン「Summer Breeze」
NIAGARA SONG BOOK 1982
NIAGARA SONG BOOK 1989
NIAGARA SONG BOOK 1991/1997
NIAGARA SONG BOOK 2013
NIAGARA SONG BOOK in NIAGARA CD BOOK II 2014
NIAGARA SONG BOOK & NIAGARA SONG BOOK 2 in COMPLETE NIAGARA SONG BOOK

Version D … Version Cで始まり、カットアウトでVersion Aにつないだバージョン
B-EACH TIME L-ONG 1985

Version E … Version Cで始まり、カットアウトでVersion Aにつないだバージョンだが新たに編集し直している
B-EACH TIME L-ONG 1991/1997

Version F … Version Cで始まり、クロスフェイドでVersion Aにつないだバージョン
B-EACH TIME L-ONG in NIAGARA CD BOOK II 2015

◆Version G … 一部ヴォーカルがダブルで、ストリングスの入るタイミングが異なったり、終盤でラジの未発表コーラスパートも入っている5.1chサラウンド・ミックス
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version H … 「Strings Mix」、Track Bの前田憲男によるストリングスとヴォーカル、アコギのミックス
暑さのせい EP

Version I … Version Cで始まり、カットアウトでVersion Aにつないだバージョンだが改めて編集し直している
B-EACH TIME L-ONG 2025

◆Track A … Version Aのカラオケ
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION TRACKS and More in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track B … 「Basic Track With Orchestral」、ほとんどの部分がVersion A他でオミットもしくはオフミックスされた前田憲男のストリングスを大きくフィーチャーしたベーシック・トラック
A LONG VACATION SESSIONS in A LONG VACATION VOX 2021


●カナリア諸島にて

◆Version A 
A LONG VACATION 1981
君は天然色(Single)
A LONG VACATION(master sound) 1983
A LONG VACATION 1989
A LONG VACATION 1991/1997
A LONG VACATION 2001
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION SINGLE VOX in NIAGARA CD BOOK II 2014
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition 2021
A LONG VACATION in A LONG VACATION VOX 2021
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version B … Version Aのヴォーカルをピアノに差し替えたインスト・バージョン
SING A LONG VACATION 1982
A LONG VACATION 2001
SING A LONG VACATION in NIAGARA CD BOOK II 2014
SING A LONG VACATION + Fiord 7 in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version C … 井上鑑によるストリングス・インスト・バージョン
NIAGARA SONG BOOK 1982
NIAGARA SONG BOOK 1989
NIAGARA SONG BOOK 1991/1997
NIAGARA SONG BOOK 2013
NIAGARA SONG BOOK in NIAGARA CD BOOK II 2014
NIAGARA SONG BOOK & NIAGARA SONG BOOK 2 in COMPLETE NIAGARA SONG BOOK

Version D … Version Cで始まり、カットアウトでVersion Aにつないだバージョン
B-EACH TIME L-ONG 1985

Version E … Version Cで始まり、カットアウトでVersion Aにつないだバージョンだが新たに編集し直している
B-EACH TIME L-ONG 1989

Version F … Version Cで始まり、カットアウトでVersion Aにつないだバージョンだがまたまた編集し直している
B-EACH TIME L-ONG 1991/1997

Version G … Version Cで始まり、クロスフェイドでVersion Aにつないだバージョン
B-EACH TIME L-ONG in NIAGARA CD BOOK II 2015

◆Version H … 歌詞の無い状態のガイド・メロディが入った「Melody Memo」
ROAD TO A LONG VACATION in A LONG VACATION 40th Anniversary Edition
ROAD TO A LONG VACATION in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version I … 5.1chサラウンド・ミックス
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

Version J … Version Cで始まり、カットアウトでVersion Aにつないだバージョンだが改めて編集し直している
B-EACH TIME L-ONG 2025

◆Track A … Version Aのカラオケ
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION TRACKS and More in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track B … Take 1
A LONG VACATION SESSIONS in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track C … コーラスが入ったVersion Aのカラオケ
A LONG VACATION TRACKS and More in A LONG VACATION VOX 2021


●Pappi-doo-bi-doo-ba物語

◆Version A 
A LONG VACATION 1981
A LONG VACATION(master sound) 1983
A LONG VACATION 1989
A LONG VACATION 1991/1997
A LONG VACATION 2001
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION SINGLE VOX in NIAGARA CD BOOK II 2014
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition 2021
A LONG VACATION in A LONG VACATION VOX 2021
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version B … Version Aのヴォーカルをオルガンに差し替えたインスト・バージョン
SING A LONG VACATION 1982
A LONG VACATION 2001
SING A LONG VACATION in NIAGARA CD BOOK II 2014
SING A LONG VACATION + Fiord 7 in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version C … 5.1chサラウンド・ミックス
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track A … Version Aのカラオケ
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION TRACKS and More in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track B … Take 1
A LONG VACATION SESSIONS in A LONG VACATION VOX 2021


●我が心のピンボール

◆Version A 
A LONG VACATION 1981
A LONG VACATION(master sound) 1983
A LONG VACATION 1989
A LONG VACATION 1991/1997
A LONG VACATION 2001
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION SINGLE VOX in NIAGARA CD BOOK II 2014
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition 2021
A LONG VACATION in A LONG VACATION VOX 2021
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version B … Version Aのヴォーカルをギターに差し替えたインスト・バージョン
SING A LONG VACATION 1982
A LONG VACATION 2001
SING A LONG VACATION in NIAGARA CD BOOK II 2014
SING A LONG VACATION + Fiord 7 in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version C … 5.1chサラウンド・ミックス
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track A … Version Aのカラオケ
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION TRACKS and More in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track B … Take 1
A LONG VACATION SESSIONS in A LONG VACATION VOX 2021


●雨のウエンズデイ

◆Version A 
A LONG VACATION 1981
恋するカレン(Single)
雨のウエンズデイ(Single)
A LONG VACATION(master sound) 1983
A LONG VACATION 1989
A LONG VACATION 1991/1997
A LONG VACATION 2001
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION SINGLE VOX in NIAGARA CD BOOK II 2014
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition 2021
A LONG VACATION in A LONG VACATION VOX 2021
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version B … Version Aのヴォーカルをピアノに差し替えたインスト・バージョン
SING A LONG VACATION 1982
A LONG VACATION 2001
SING A LONG VACATION in NIAGARA CD BOOK II 2014
SING A LONG VACATION + Fiord 7 in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version C … 井上鑑によるストリングス・インスト・バージョン
NIAGARA SONG BOOK 1982
NIAGARA SONG BOOK 1989
NIAGARA SONG BOOK 1991/1997
NIAGARA SONG BOOK 2013
NIAGARA SONG BOOK in NIAGARA CD BOOK II 2014
NIAGARA SONG BOOK & NIAGARA SONG BOOK 2 in COMPLETE NIAGARA SONG BOOK

Version D … Version Cで始まり、カットアウトでVersion Aのイントロ冒頭につないだバージョン
B-EACH TIME L-ONG 1985

Version E … Version Cで始まり、カットアウトでVersion Aの歌い出し部分につないだバージョン
B-EACH TIME L-ONG 1989

Version F … Version Cで始まり、カットアウトでVersion Aのイントロ冒頭につないだバージョンだがまたまた編集し直している
B-EACH TIME L-ONG 1991/1997

Version G … Version Cで始まり、クロスフェイドでVersion Aイントロ冒頭につないだバージョン
B-EACH TIME L-ONG in NIAGARA CD BOOK II 2015

◆Version H … 本採用テイク(アレンジ)以前に取られた初期バージョン
A LONG VACATION SESSIONS in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version I … 本採用バージョンの体制でのTake 1
A LONG VACATION SESSIONS in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version J … 5.1chサラウンド・ミックス
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

Version K … Version Cで始まり、カットアウトでVersion Aのイントロ冒頭につないだバージョンだが改めて編集し直している
B-EACH TIME L-ONG 2025

◆Track A … Version Aのカラオケ
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION TRACKS and More in A LONG VACATION VOX 2021


●スピーチ・バルーン

◆Version A 
A LONG VACATION 1981
A LONG VACATION(master sound) 1983
A LONG VACATION 1989
A LONG VACATION 1991/1997
SNOW TIME 1995
A LONG VACATION 2001
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION SINGLE VOX in NIAGARA CD BOOK II 2014
SNOW TIME in NIAGARA CD BOOK II 2014
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition 2021
A LONG VACATION in A LONG VACATION VOX 2021
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version B … Version Aのヴォーカルをピアノに差し替えたインスト・バージョン
SING A LONG VACATION 1982
A LONG VACATION 2001
SING A LONG VACATION in NIAGARA CD BOOK II 2014
SING A LONG VACATION + Fiord 7 in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version C … 5.1chサラウンド・ミックス
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track A … Version Aのカラオケ
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION TRACKS and More in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track B … ラフ・ミックス
A LONG VACATION SESSIONS in A LONG VACATION VOX 2021


●恋するカレン

◆Version A 
A LONG VACATION 1981
A LONG VACATION(master sound) 1983
A LONG VACATION 1989
A LONG VACATION 1991/1997
A LONG VACATION 2001
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION SINGLE VOX in NIAGARA CD BOOK II 2014
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition 2021
A LONG VACATION in A LONG VACATION VOX 2021
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version B … Version Aと同じだが、イントロのみボリュームを上げている
恋するカレン(Single)
雨のウエンズデイ(Single)
BEST ALWAYS

◆Version C … Version Aのヴォーカルをオルガンに差し替えたインスト・バージョン
SING A LONG VACATION 1982
A LONG VACATION 2001
SING A LONG VACATION in NIAGARA CD BOOK II 2014
SING A LONG VACATION + Fiord 7 in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version D … 井上鑑によるストリングス・インスト・バージョン
NIAGARA SONG BOOK 1982
NIAGARA SONG BOOK 1989
NIAGARA SONG BOOK 1991/1997
NIAGARA SONG BOOK 2013
NIAGARA SONG BOOK in NIAGARA CD BOOK II 2014
NIAGARA SONG BOOK & NIAGARA SONG BOOK 2 in COMPLETE NIAGARA SONG BOOK

Version E … Version Dで始まり、カットアウトでVersion Aにつないだバージョン
B-EACH TIME L-ONG 1985

Version F … Version Dで始まり、カットアウトでVersion Aにつないだバージョンだが新たに編集し直している
B-EACH TIME L-ONG 1989

Version G … Version Dで始まり、カットアウトでVersion Aにつないだバージョンだがまたまた編集し直している
B-EACH TIME L-ONG 1991/1997

Version H … Version Dで始まり、クロスフェイドでVersion Aにつないだバージョン
B-EACH TIME L-ONG in NIAGARA CD BOOK II 2015

◆Version I … TVドラマ「一番大切なデート 東京の空・上海の夢」用の、Version Aのエディット・バージョン
NIAGARA TV SPECIAL Vol.1 in HAPPY ENDING

◆Version J … Take 1
A LONG VACATION SESSIONS in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version K … Version Cのモノミックス、イントロはカットされている
SING A LONG VACATION + Fiord 7 in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version L … 5.1chサラウンド・ミックス
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

Version M … Version Dで始まり、カットアウトでVersion Aにつないだバージョンだが改めて編集し直している
B-EACH TIME L-ONG 2025

◆Track A … Version Aのカラオケ
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION TRACKS and More in A LONG VACATION VOX 2021


●FUN×4

◆Version A 
A LONG VACATION 1981
A LONG VACATION(master sound) 1983
A LONG VACATION 1989
A LONG VACATION 1991/1997
A LONG VACATION 2001
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION SINGLE VOX in NIAGARA CD BOOK II 2014
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition 2021
A LONG VACATION in A LONG VACATION VOX 2021
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021
夢で逢えたら(大滝詠一Single)

◆Version B … Version Aのヴォーカル・コーラスをオルガンに差し替えたインスト・バージョン、最後の「手に入れてしまったよ」のヴァースで演奏がブレイクしない
SING A LONG VACATION 1982
A LONG VACATION 2001
SING A LONG VACATION in NIAGARA CD BOOK II 2014
SING A LONG VACATION + Fiord 7 in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version C … 井上鑑によるストリングス・インスト・バージョン
NIAGARA SONG BOOK 1982
NIAGARA SONG BOOK 1989
NIAGARA SONG BOOK 1991/1997
NIAGARA SONG BOOK 2013
NIAGARA SONG BOOK in NIAGARA CD BOOK II 2014
NIAGARA SONG BOOK & NIAGARA SONG BOOK 2 in COMPLETE NIAGARA SONG BOOK

◆Version D … 最後の「手に入れてしまったよ」のヴァースで演奏がブレイクせず、Version A、Track Aではカットされた最後のコーラス後の含み笑い?も入っている5.1chサラウンド・ミックス
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track A … Version Aのカラオケだが、コーラスの定位が別のミックス
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION TRACKS and More in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track B … 間奏がトランペット・ソロの別ミックス、最後の「手に入れてしまったよ」のヴァースで演奏がブレイクしない
A LONG VACATION SESSIONS in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track C … コーラスが入らないカラオケ、最後の「手に入れてしまったよ」のヴァースで演奏がブレイクしない
A LONG VACATION TRACKS and More in A LONG VACATION VOX 2021


●さらばシベリア鉄道

◆Version A 
A LONG VACATION 1981
A LONG VACATION(master sound) 1983
A LONG VACATION 1991/1997
A LONG VACATION 2001
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION SINGLE VOX in NIAGARA CD BOOK II 2014
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition 2021
A LONG VACATION in A LONG VACATION VOX 2021
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version B … Version Aのイントロ冒頭をカット、歌が終わるとすぐフェイドアウトするシングル・エディット
A面で恋をして/さらばシベリア鉄道(Single)
BEST ALWAYS

◆Version C … Version Aのヴォーカルをギターに差し替えたギターインストの「Siberia Guitar Version」、尺はVersion Bと同じ
哀愁のさらばシベリア鉄道(Single)
SING A LONG VACATION + Fiord 7 in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version D … Version Aのヴォーカルをオルガンに差し替えたインスト「Siberia Organ Version」、尺はVersion Bと同じ
哀愁のさらばシベリア鉄道(Single)
NIAGARA RARITIES SPECIAL in NIAGARA CD BOOK II 2014
SING A LONG VACATION + Fiord 7 in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version E … Version Aと同じだが、15秒前後早くフェイドアウトする
SNOW TIME 1995
SNOW TIME in NIAGARA CD BOOK II 2014

◆Version F … Version Cと同じだが冒頭カット無し、1ヴァース分をカット、フェイドアウトはVersion Cより長い(がVersion Eよりは数秒早い)「Siberia」
SNOW TIME 1995
SNOW TIME in NIAGARA CD BOOK II 2014

◆Version H … Version Cのプロモ盤用モノミックス
SING A LONG VACATION + Fiord 7 in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version I … Version Dのプロモ盤用モノミックス
SING A LONG VACATION + Fiord 7 in A LONG VACATION VOX 2021

◆Version J … Version Aと同じ尺の5.1chサラウンド・ミックス
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track A … Version Eのカラオケ
A LONG VACATION 2011
A LONG VACATION TRACKS and More in A LONG VACATION VOX 2021

◆Track B … ラフ・ミックス
A LONG VACATION SESSIONS in A LONG VACATION VOX 2021

2020年3月9日月曜日

Denny McCaffrey「Midnight Creeper」「Goodbye For The Last Time」「Take Good Care Of Yourself」「Times」and others [Ken Gold Songbook]


1976年に録音されながら、2006年にDenny McCaffrey本人によってCDリリースされるまで眠りについていたアルバム『Come On In』に、Ken Goldファンにはおなじみの曲のファースト・レコーディングを含んだGold-Denne作品が多数収められていますのでご紹介します。

Denny McCaffreyは70年代からヴォーカリストとしていくつかのバンドを渡り歩き(Baby RuthやMcCafreyに参加しシングルがリリースされています)、75年になるとAnn OdelがRay Russellと結成したバンド、Chopynに参加します。ChopynはELOのツアーに参加していた経緯もあってか75年にJetからLP『Grand Slam』をリリースしています。

McCaffreyは76年になるとBruce Baxterと出会い、廉価カバーレコード『Top Of The Pops』シリーズのセッションに参加するようになります。その流れで、同年夏、Bruce Baxter(とエンジニアのMike Cooper)プロデュースでソロ・アルバムの制作が行われることになったようです。

『Top Of The Pops』シリーズといえばTony Rivers、そしてRiver「You're The Song」でストリングス・アレンジを担当したBruce Baxterです。ということで、McCaffreyのアルバムにもKen Gold & Micky Denneコンビの楽曲が取り上げられることになったと思われます。

その頃のKen GoldといえばCliff Richardへの楽曲提供、Real Thingへの楽曲提供&プロデュースとまさに快進撃を始めた頃です。このアルバム(というかセッションで録られた曲を全部入れてくれているのでしょうけど)では20曲中約半数の8曲がGold-Denneのペンによる楽曲です。

1-1 Somebody Needs Somebody [Gold-Denne]
1-2 Better Than Walking Out [Knight]
1-3 Every Time A Man Gets Lonely [Copyright Control]
1-4 There You Go [Webb]
1-5 Don't Make Promises [Gold-Denne]
1-6 Midnight Creeper [Gold-Denne]
1-7 Get Plenty Of Love [Copyright Control]
1-8 Giving It Up For Love [Wingfield]
1-9 Goodbye For The Last Time [Gold-Denne]
1-10 If I Could Just Be With You Tonight [Gold-Denne]
2-1 Let's Put Our Love Back Together [Gold-Denne]
2-2 Your Lovin' Is Something Else [Grant]
2-3 Lost For Words [Wingfield]
2-4 Come On In [Grant]
2-5 I Need Your Love [Foster]
2-6 The Pain Of Love [Webb]
2-7 Take Good Care Of Yourself [Gold-Denne]
2-8 Times [Gold-Denne]
2-9 Eyes In The Back Of My Head [Wingfield]
2-10 Just A Line [Webb]

Gold-Denneコンビ、というかDenne & Goldのファンにはおなじみ「Let's Put Our Love Back Together」「Midnight Creeper」、さらには「If I Could Just Be With You Tonight」と、78年作品『Denne & Gold』収録の3曲は、実は76年にDenny McCaffreyが録音しながらオクラになってしまった楽曲だったのでした。「Midnight Creeper」なんかは、こっちの方が重くて好みですね。

その他アッパーな「Somebody Needs Somebody」「Don't Make Promises」、スローなAOR風「Googbye For The Last Time」、3連の渋いスロー「Take Good Care Of Yourself」、オールディーなシャッフルもの「Times」など、当時のGold-Denneコンビらしい楽曲が並んでいます。

アルバム全体にリズム&ブルース、ソウルミュージックへの憧憬が感じられ、Gold-Denneコンビの楽曲以外も同じ傾向です。Grantというのは元The Equals、エレクトロ・レゲエ?でUK、ヨーロッパのみならずUSでもヒット曲を持つEddy Grantで、メロウでブルージーな「Your Lovin’ Is Something Else」が素晴らしく好みです。またWingfieldというのは「Eighteen With A Bullet」のヒットやSugarhill Gang〜Paul McCartneyまで幅広く関わるSSW/キーボードプレイヤーのPete Wingfieldで、シカゴ・ソウルを感じさせるハネるメロウな「Lost For Words」なども非常にお気に入りです。

演奏はChopynのドラマーでもあった当時19歳のおなじみSimon Phillips、ギターもChopynのRay Russell(『Denne & Gold』にも参加してますんで、あちらでは同じ曲で弾いてそうですね)、ベースは元AffinityのベーシストMo Foster。ここまでの3人はのちにRMSを結成するなど、さらに付き合いが続きます。キーボードは後にFusionを結成するReg Webb・プロデューサー兼アレンジャーのBruce Baxter・またまたChopynのAnn Odelなど…。本作はChopynのような英国ファンキー・ロック的な世界観とは異なり、あくまで歌モノという意識が制作側に強かったと思われますが、それでもしっかりとこの頃の英国ブルー・アイド・ソウルの世界が展開されています。レコーディングはPye Studioで行われています。Wingfield 作の「Giving It Up For Love」「Eyes In The Back Of My Head」などはこの面子で楽しそうに演ってる感じですね。

本作はブラスやストリングスのダビング、ミックスまで終えながら、契約上その他の問題でリリースに至りませんでした。2004年、McCaffreyがPete Wingfieldと初めて対面した際、このレコーディングの話題になり、それがきっかけでマスター発掘作業を開始、結果McCaffreyの旧友でもあった英国のサックス・プレイヤーSteve Williamsonの母親のガレージにマスターのコピーがあることがわかり、Ray RussellのOld Surgery Studioにてマスタリングに漕ぎ着けることができたようです。

Gold-Denneコンビの楽曲以外も含めて、私の好みの楽曲が入っていて非常に好きな作品です。あまり音質が良くないのが惜しまれますが、ガレージに残っていたテープからの修復ですので、聴けるだけでもありがたいですし、この方がレア音源感があるのでそれもまた味わいということで…。70年代半ばに幻と消えた、UKブルー・アイド・ソウルの名盤と勝手に呼ばせていただきます(と思ったら、Pete Wingfieldも似たようなことを言ってたみたいですね)。

なお、McCaffreyは近年はSpotifyで楽曲をリリースするなど、引き続き活動中です。

Thanks to Denny McCaffrey for your kindness.

2020年2月6日木曜日

The Real Thing『Best Of The Real Thing』(2020)

The Real Thingの新しいベスト盤、『Best Of The Real Thing』がリリースされました。
結成50周年を迎え制作された、グループの軌跡を辿ったドキュメンタリー映画「Everything - The Real Thing Story」の公開にあわせたアルバムのようです。

Ken Gold関連としてはDelegationなどど比べるとベスト盤を編まれる機会が多く(といっても本当にベスト盤ばかりで、オリジナル・フォーマットでのアルバム・リイシューの機会に恵まれてるとは言い難いのですが)、今回もグループの歴史を振り返るというのが念頭にあるのか、選曲は全盛期であるPye時代からの代表作中心です。曲順は年代順でなくシャッフル、というところで味を変えているようです。「初CD化」と謳われている7曲は全て、過去に公式に(Pye原盤ですので、PRT、Castle、Sanctuary、それから日本のビクターなどから)CDとしてリリース済みというのが気になるところですが…まあ細かいところは置いておきましょう。願わくば、Bell、EMI、Pye、Jive、RCAと、キャリアを全て網羅したベスト盤もいつか実現してほしいものです。

とにかく今回の収穫は実はReal Thingの3枚目のシングル用に書かれ、録音までしていたのにオクラになったKen Gold & Michael Denneコンビ作、「Someone Oughta Write A Song (About You Baby)」のオリジナル・レコーディングでしょう。Amoo兄弟の自作志向によりオクラにはなりましたが、Goldは同じトラックを使用し、別レーベルからThe Realisticsのシングルとして世に出すことになりました。正直イナタいRealisticsの歌に比べると、Real Thingバージョンはやはり貫禄の出来です。Realisticsの後にもGoldは自身がプロデュースする新人グループ、Delegationのレコーディングでも取り上げ米国ではシングル・カットしたくらいですから、作者としてはそれなりに拘りがあったのでしょう。ライナーが思いの外あっさりしてましたので、ここに勝手にしたためておきます。グループの公式TwitterアカウントにはVinylリリース希望のリプライなんかもいくつか付いていますが、この曲を7インチで、70s Pye風のレーベルデザイン(パープルとピンクのグラデーション)なんかで出してくれると、私のようなオタクはとっても喜びます。

さて、Ken Goldファンとして気になるのが今回の映画です。
オリジナル・メンバーのインタビューなどを通してTHE REAL THINGの歴史だけでなく、英国音楽史最初のブラック・ミュージック・レヴォリューションや70年代イギリスの時代背景なども捉えているという。」(メーカーインフォより)
ということなので、Real Thingファンならずとも非常に興味深い作品なのですが…さらに!出演者にはしっかりKen GoldやMichael Denne、Billy Oceanなんかがクレジットされています。Goldは新作の知らせはとんと聞こえてこず(出してたらごめんなさい)、公の場で過去の仕事について語るというのは非常に珍しい機会かと思います。日本でも配給していただくよう、是非ともお願いします…!


2018年11月25日日曜日

NIAGARA FALLIN' STARS『LET'S ONDO AGAIN』のバージョン違い


『LET'S ONDO AGAIN』のリリースから40年です。第1期ナイアガラのラスト・アルバムで、なにせこの内容なんでバリエーションも多くないだろうと思ってましたが…意外といくらかある曲はあるもんで、侮れないですね。ではではいってみましょう。


●峠の早駕籠

◆Version A 
LET'S ONDO AGAIN 1978
LET'S ONDO AGAIN 1996
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA CD BOOK I 2011

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA BLACK VOX

◆Version C … 定位の異なる86年のリミックス、フェイドアウトが長いので「はっほ、はっほ」まで聴ける
NIAGARA FALL STARS 2nd ISSUE
NIAGARA FALL STARS 2nd ISSUE in NIAGARA CD BOOK I 1986
LET'S ONDO AGAIN SPECIAL
LET'S ONDO AGAIN SPECIAL in NIAGARA BLACK BOOK

◆Version D … 78年のプロモ・オンリー・シングル用リミックス
ピンク・レディ/峠の早駕籠 in NIAGARA 45RPM VOX
NIAGARA 45RPM VOX CD Edition in NIAGARA 45RPM VOX


●337秒間世界一周

◆Version A
LET'S ONDO AGAIN 1978
LET'S ONDO AGAIN 1996
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA CD BOOK I 2011

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA BLACK VOX


●空飛ぶカナヅチ君

◆Version A 
LET'S ONDO AGAIN 1978
LET'S ONDO AGAIN 1996
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA CD BOOK I 2011

◆Version B … エコーが減りスッキリした81年のリミックス
MORE NIAGARA FALL STARS 1981 in NIAGARA VOX
NIAGARA FALL STARS '81 REMIX SPECIAL in NIAGARA CD BOOK II

◆Version C … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA BLACK VOX


●烏賊酢是!此乃鯉

◆Version A 
LET'S ONDO AGAIN 1978
LET'S ONDO AGAIN 1996
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA CD BOOK I 2011

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA BLACK VOX

◆Version C … 87年に作られたものの当時未発表となった定位の異なるリミックス
BEST ALWAYS


●アン・アン小唄


◆Version A 
LET'S ONDO AGAIN 1978
LET'S ONDO AGAIN 1996
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA CD BOOK I 2011

◆Version B … 定位が変わりスッキリした81年のリミックス
MORE NIAGARA FALL STARS 1981 in NIAGARA VOX
NIAGARA FALL STARS '81 REMIX SPECIAL in NIAGARA CD BOOK II

◆Version C … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA BLACK VOX

◆Version D … 再び定位が変わった86年のリミックス
NIAGARA FALL STARS 2nd issue 1986
NIAGARA FALL STARS 2nd issue in NIAGARA CD BOOK I 1986


●ピンク・レディー

◆Version A 
LET'S ONDO AGAIN 1978
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA CD BOOK I 2011

◆Version B … 定位が変わり基本モノだが数カ所音がまとめて左右に振られる81年のリミックス
MORE MORE NIAGARA FALL STARS 1981 in NIAGARA VOX
NIAGARA FALL STARS '81 REMIX SPECIAL in NIAGARA CD BOOK II

◆Version C … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA BLACK VOX

◆Version D … 87年のリミックス
LET'S ONDO AGAIN SPECIAL
LET'S ONDO AGAIN SPECIAL in NIAGARA BLACK BOOK

◆Version E … Version Aと同じミックスだが、楽曲が終わった後に「えっほえっほ」が入らない
LET'S ONDO AGAIN 1996

◆Version F … Version Aの前後をカットした78年のプロモ・オンリー・シングル用エディット
ピンク・レディ/峠の早駕籠 in NIAGARA 45RPM VOX
NIAGARA 45RPM VOX CD Edition in NIAGARA 45RPM VOX

◆Version G … 大瀧のガイド?ヴォーカルとモンスターのヴォーカルをあわせたミックス、他バージョンの「昨日は“モンスター” 今日“UFO”」部分が「昨日は“UFO” 今日“モンスター”」と、歌入れ時の本来の歌詞に戻っている
大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK


●河原の石川五右衛門

◆Version A 
NIAGARA FALL STARS 1981
NIAGARA FALL STARS 1981 in NIAGARA VOX
LET'S ONDO AGAIN 1996
NIAGARA FALL STARS '81 REMIX SPECIAL in NIAGARA CD BOOK II

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA BLACK VOX

◆Version D … 定位が変わったPapilapopa大野による86年のリミックス
NIAGARA FALL STARS 2nd issue 1986
NIAGARA FALL STARS 2nd issue in NIAGARA CD BOOK I 1986
LET'S ONDO AGAIN SPECIAL
LET'S ONDO AGAIN SPECIAL in NIAGARA BLACK BOOK


●ハンド・クラッピング音頭

◆Version A 
LET'S ONDO AGAIN 1978
LET'S ONDO AGAIN 1996
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA CD BOOK I 2011

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA BLACK VOX


●禁煙音頭

◆Version A 
LET'S ONDO AGAIN 1978
LET'S ONDO AGAIN 1996
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA CD BOOK I 2011

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA BLACK VOX

◆Version C … 定位が変わりスッキリした81年のリミックス、Version A・Bの冒頭「ハーイコンニチワ」はオミットされ、最後のキープ・クリーン・ベースマンの「音頭」部分に演奏が入る
NIAGARA FALL STARS 1981
NIAGARA FALL STARS in NIAGARA VOX
NIAGARA FALL STARS '81 REMIX SPECIAL in NIAGARA CD BOOK II

◆Version D … 再び定位が変わった86年のリミックス、「ハーイコンニチワ」とリハーサルから持ってきたエレピのフレーズはオミットされ、キープ・クリーン・ベースマンの「音頭」につづく竜ヶ崎宇童のセリフは「やめろ」のみ・その後のジングルと「キンエン、please」もオミットされている
NIAGARA FALL STARS 2nd issue 1986
NIAGARA FALL STARS 2nd issue in NIAGARA CD BOOK I 1986
LET'S ONDO AGAIN SPECIAL
LET'S ONDO AGAIN SPECIAL in NIAGARA BLACK BOOK

◆Version E … リズムトラック録音時の本来の大瀧のカウントから始まり、煙が目にしみた後は大瀧のガイド?ヴォーカルと竜ヶ崎宇童のデュエットとなる、大瀧・竜ヶ崎・煙が目にしみているヴォーカルの3人をトライアングルに見立てた「Niagara Triangle 1978 Mix」
ALL TIME DOO WOP!!


●呆阿津怒哀声音頭

◆Version A 
LET'S ONDO AGAIN 1978
LET'S ONDO AGAIN 1996
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA CD BOOK I 2011

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA BLACK VOX

◆Version C … 定位が変わりスッキリした81年のリミックス
MORE NIAGARA FALL STARS 1981 in NIAGARA VOX
NIAGARA FALL STARS '81 REMIX SPECIAL in NIAGARA CD BOOK II

◆Version D … 再び定位が変わった87年のリミックス、ヴォーカルは「塀塀 塀塀」の歌詞を間違えたり、「『酒飲み過ぎて あげそう!』」の箇所など、ところどころ節回しが異なる別テイク(リズム隊と同録した初回テイク?)を採用
LET'S ONDO AGAIN SPECIAL
LET'S ONDO AGAIN SPECIAL in NIAGARA BLACK BOOK


●Let's Ondo Again

◆Version A
LET'S ONDO AGAIN 1978

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA BLACK VOX

◆Version C … 定位が変わり一部楽器を差し替えた81年のリミックス
NIAGARA FALL STARS 1981
NIAGARA FALL STARS in NIAGARA VOX
LET'S ONDO AGAIN 1996
NIAGARA FALL STARS '81 REMIX SPECIAL in NIAGARA CD BOOK II
ナイアガラ音頭EP

◆Version D … 再び定位が変わったPapilapopa大野による86年のリミックス
NIAGARA FALL STARS 2nd issue 1986
NIAGARA FALL STARS 2nd issue in NIAGARA CD BOOK I 1986

◆Version E … Version Dの終盤で鈴が鳴りそのまま「クリスマス音頭」終盤にカットアウトで繋がり、オシャマンベ・キャッツの爆笑の後、2分半の無音を挟んで風呂から上がる音と鼻歌で終わる
LET'S ONDO AGAIN SPECIAL
LET'S ONDO AGAIN SPECIAL in NIAGARA BLACK BOOK

◆Version F … Version Aと同じだが風呂から上がる音なし
LET'S ONDO AGAIN 1996

◆Version F … Version Aと同じだが、風呂から上がった後、15秒の無音を挟み、Version A収録の1978年盤B面のインナーグルーヴのさらに内側に刻まれたインナーグルーヴにループで入っていた「えっほえっほ」が12回繰り返しで入っている
LET'S ONDO AGAIN in NIAGARA CD BOOK I 2011

◆Version G … ニッポン放送「大入ダイヤルまだ宵の口」81年4月〜10月のテーマ用に作成された「Let's 宵・宵・宵」、Version Cのトラックを流用しておりヴォーカルは不詳
NIAGARA ONDO BOOK in 大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK / NIAGARA ONDO BOOK

◆Track … Version Cのカラオケだが、終奏時にフェイントしたり風呂から上がったりはしない
ナイアガラ音頭EP