2017年5月28日日曜日

Hermits / Kenny Stockton「Ginny Go Softly」[Ken Gold Songbook]

75年5月にHermits(米国などでは変わらずHerman's Hermits)のシングルとしてPrivate Stockよりリリースされたのが「Ginny Go Softly」です。この曲が元SugarbeatsのChristian Goldと、同じく元SugarbeatsでTony Rivers & Castawaysに所属し、その後作家・プロデュース・A&Rなど多岐に渡り活動していたMartin Shaerの2人の共作でした。

元(と言っても当時の英国では、だったようですが)・Herman's HermitsことHermitsはこの頃になると年に1枚シングルが出れば良い方で、そもそもオリジナルメンバーは71年にはHermanことPeter Nooneが抜けてしまい、Barry Witwamの1名しか残っておらず、Witwamが一人でなんとかHermitsを存続させていた状況でした(その後いろいろありつつ、結果的に2017年現在存在する“片方の”Herman's Hermitsは同じような感じですが…)。このシングルも前年ニューヨークで設立されたばかりのPrivate Stockとの単発契約だったようです。

楽曲はといえばこれが意外とメロウでポップな佳曲で、正直75年のシングルとしてはちと地味で古臭い気がしますが、60年代ポップス育ちと思しき元Sugarbeatsの2人ならではのセンスが生かされた素敵な一曲と言えましょう。プロデュース(なのか原盤保有のクレジットなのかいまいち曖昧ですが)はHermit's Productions Ltdがクレジットされています。

また、同じ頃にカナダでKenny Stocktonというカントリーのシンガーのシングルとしてもリリースされています(「Ginnie Go Softly」と、米語綴りです)。こちらはプロデュースにMartin Shaer本人がクレジットされていますので、ひょっとしたらこちらがオリジナルといえるのかもしれません。いかにもカントリー然とした仕上がりですが、メロディの良さは変わらずといったところです。カナダといえばShaerはこの後、Brian AdamsのSweeny Todd加入にも関連しているという話もありますね。

さて、このシングルあたりを最後にChristian GoldはKen Goldにペンネームを改めるようです。同時期に、これ以降10年弱に渡り作家活動を共にすることになるMicky Denneとの共作が始まります。