2015年9月13日日曜日

Ritz「Dance Until You Drop」and others [Ken Gold Songbook]

Ritzは、女性1人・男性2人のトリオからなるヴォーカル・グループです。調べるとフランス出身のようで、78年にMidnightというグループ名でシングルを1枚リリース。79年にRitzに改名した後にも1枚シングルをリリース、その後英Epic/Park Laneと契約し、経緯は不明ですがKen Goldプロデュースで作られたアルバムが同じ79年リリースの『Puttin' On The Ritz』です。

A-1 Dance Until You Drop [Gold-Denne]
A-2 Wake Up Nights [Gold-Denne-Naiff]
A-3 Started Out Dancing, Ended Up Making Love [*O'Day]
A-4 Anyone Who Had A Heart [*Bacharach-David]
A-5 Soul Tripping [Gold-Denne]
B-1 Locomotion [*Goffin-King]
B-2 Ain't No Doubt About It [*Reilley-MacKillop]
B-3 Love Vibrations [Gold-Denne]
B-4 Lazy Love [*Child]

アルバムは全編Goldプロデュースですが、Goldが作曲にかかわった曲は9曲中4曲と少なく(うち2曲は既発曲ですし)、それ以外の曲も比較的バラエティに富んでいるというか、バラバラです。

カバーは不思議な選曲で、A-3は日本でも一部の方にはおなじみAlan O'dayのセカンド・アルバムからのカバーだったり、A-4のBacharach-David作品、そしてアルバムの先行シングルがB-1、なんとあのGoffin-King作「Locomotion」のディスコ・アレンジでした。ポップス界のクラシックとはいえアップ・トゥ・デイトな作りになっており、これが英米ではヒットに至りませんでしたが、オーストラリアやニュージーランド、フランスなどでは大ヒットとなります。また、B-2はスウェーデンからCado BelleのMaggie Reilly・Stuart MacKillopコンビ作、B-5はあのDesmond Child作で、彼の作品としてはかなり初期の作品でしょうか。

さてGoldのペンによる作品ですが、おそらくアルバムリリース前後に2枚目のシングルとしてカットされたのがA-1「Dance Until You Drop」です。これはもう、同時期のレコーディングと思われますDelegationのセカンド・アルバムでも顕著に影響が出ていますが、Chicのサウンド・メイキングを参考にしたファンキーな1曲に仕上がっています。

シングル・カットの際はパーカッション等が追加の上ミックスし直され、7インチと12インチでもそれぞれミックスが異なります。A-2は作者としてLynton Naiffもクレジットされていますが、Gold作品にしては珍しく欧風というかマイナー調の哀愁ディスコものです。A-5はDelegation、B-3はRealisticsのカバーです。

結局「Dance Until You Drop」もヒットせず、Ritzのその後の詳細もよくわかりませんでしたが、79年当時のGoldの志向が垣間見える1枚かと思います。



0 件のコメント:

コメントを投稿