『Deuces High』のチャート成績も芳しくなく、Arioraとの契約も終了したDelegationは新メンバーに最初で最後の女性メンバーであるKathy Bryantを迎え、3人組となります。
82年初頭の『Deuces High』以降、しばらくレコードのリリースもありませんでしたが、3人が83年の10月に英CBSから単発でリリースしたシングルが「It's Your Turn」c/w「Can We Get It Back」でした。両面Gold-Denneコンビ作、Ken Goldプロデュースといういつもの布陣で制作されており、A面は『Deuces High』の延長で、シンベとRobert Ahwaiと思しきカッティングが炸裂するアーバン・メロウ・ファンク路線です。7インチだけでなく12インチも作られており、12インチ収録のExtended Versionは別ミックスの長尺版が収録されています。ここでは7インチ・ミックスには入っていないギター・ソロを聴くことが出来ます。B面はKathy Bryantがリードを取ったDelegationでは珍しい、オールド・スタイルでアッパーな1曲ですが、これは最初からリードをBryantに取らせることを想定して書かれたのでしょう。
さて、この1枚のみでBryantはDelegationを脱退し、またまたRicky BaileyとRay Pattersonのコンビに戻るのですが、さらにDelegationに転機が訪れます。事情はわかりませんが、専属プロデューサー兼作家のKen Goldとも離れてしまうのでした。これ以降、活動拠点を評価の高かったドイツに移したようで、85年にドイツのHigh FasionというレーベルからHans HahnプロデュースでBailey-Patterson作の「Thanks To You」をリリース。しかし、その後Pattersonもグループを離れ、遂にDelegationはBaileyのソロ・プロジェクトとなってしまいます。1人になったDelegationは87年に独ZYXからGold-Denneコンビの往年の名作「Where's The Love (We Used To Know)」をHans Hahnプロデュースでリメイク。89年には『The Promise Of Love』『Eau de Vie』からの選曲に87年の「Where's The Love」、また「Thanks To You」の88年ミックスを加えたベスト盤『The Best Of Delegation』が独ZYXからリリースされ、新録のメドレー「The Mix」もDelegation featuring Ricky Bailey名義でシングル・リリースされました。このメドレーも往年のGold-Denne作品ばかりで構成されており、今ひとつ過去作品から新たな一歩が踏み出せないような活動状況でした。
Ken GoldがDelegationと再びタッグを組むのは、もう少し先の、90年代半ばのことでした。
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