2017年1月21日土曜日

ザ・ナンバーワン・バンド「六本木のベンちゃん」「My Peggy Sue」「ブルース だ〜れ!」[桑田佳祐Songbook]

1981年3月、桑田佳祐さんはサザンとは別に「桑田バンド」として渋谷Eggmanのこけら落とし公演に登場、肩の力を抜いた洋楽カバーのみのライブを行ないます。同年12月にも再度Eggmanに「桑田バンド」は登場するのですが、その際にMCを務めたのが同年春から当時テレビ朝日系「ベストヒットUSA」を始めていた小林克也さんでした(この模様は82年3月に桑田さんの変名ライブ盤『嘉門雄三&Victor Wheels Live!』として発売されます)。

ちょうどその頃、小林さんがラジオ仕事でよく一緒になっていた番組ディレクターの佐藤輝夫さんに声をかけ、レコード録音のために結成されたバンドがザ・ナンバーワン・バンドです。バンドのメンバーは佐藤さんによって召集され、過去に佐藤さんが及川伸一さんとガンバー座名義で出したレコードでもバックを務めていた成田昭彦さん、深町栄さん、小室邦雄(=琢磨仁)さんによる安定のリズム隊による演奏です(このお三方も、琢磨さんが86年KUWATA BAND、成田さんが02年『ROCK AND ROLL HERO』、深町さんも同年のライブから、それぞれ桑田さんの活動に深く関わることになります)。


82年6月にサザンと同じビクターのinvitationからリリースされたアルバムが『もも』でした。基本的にカバーもの以外は佐藤さん作の楽曲で占められていましたが、そこに桑田さんが嘉門雄三名義で2曲を提供(歌詞は小林さんとの共作)・編曲、録音にもしっかり参加しています。ただし、桑田さん楽曲は演奏メンバーは異なり、村上“ポンタ”秀一さん、杉本和弥さん、森村献さん、萩谷清さんというフュージョン寄りのリズム・セクションによるもので、他の楽曲と比べタッチは異なります。

「六本木のベンちゃん」はVentures調のエレキ歌謡で、小林さんと嘉門雄三のデュエットで、男色(「I Love Youはひとりごと」に続き)の切ない恋模様を軽いタッチで描いています。桑田さんはこのお遊び風エレキ歌謡路線に手応えを感じたのか、この後中村雅俊さん「ナカムラ・エレキ・音頭」、サザン「そんなヒロシに騙されて」と続いていくこととなります。ギター・ソロは嘉門雄三がKeiichi's Fender(ってのは鈴木慶一さんでしょうか)で弾いています。LPリリースから3ヶ月後の9月に、ナンバーワン・バンド2枚目のシングルとしてもリリースされました。


「My Peggy Sue」は小林さんがLouis "Satchmo" Armstrongになりきった、ジャズ・ヴォーカルものです。桑田さんもよくサザンの「アブダ・カ・ダブラ」「ジャズ・マン」、原さんの「いにしえのトランペッター」などでサッチモになりきってましたが、芸達者な小林さんはサッチモともう1人分と、1人2役で、終盤はデュエットとして歌っています。サッチモといえばどうしても出てくるトランペット・ソロは伏見哲夫さん、またサザンから毛ガニさんがパーカッションで参加しています。作者がつとめるバンドマスターの「Oh, yeah, yeah, one more time!」の声も終盤で聴こえます。

また、提供曲とは少し異なりますが作曲に桑田さん(これは桑田佳祐名義で)が「ブルース だ〜れ」でクレジットされています。これはスネークマンショーでおなじみ「だ、だ〜れ?」を聞くことが出来る、桑田さん・世良公則さん・鈴木慶一さんが順番にギター・ソロを繰り広げる非常に珍しい曲です。これはそうる透さん、杉本和弥さんが参加しています。

ちなみにこの『もも』用に嘉門雄三こと桑田さんが用意したものの、小林さんから難しいと言われボツになった曲が、数ヶ月後に原由子さんヴォーカルで世に出ることになるサザンの「流れる雲を追いかけて」でした。なんというか、本当に多彩な曲を『もも』用に持っていったものです。

小林さんは特にアミューズ所属というわけではありませんが、この後ナンバーワン・バンドはアミューズの勧めでツアーを行なうことになり(ここで斎藤誠さんがメンバーに加わるのでしょうか)、翌年以降もアルバムを出し続けることになります。桑田さんとも、サザンの小林克也讃歌「D.J.コービーの伝説」で本人登場、その後年末にリリースされ超ロングセラー・カセットとなるベスト盤「SUPER BEST バラッド '77〜'82」でジャケット文字の担当(小林嘉亭名議)等、交流が続いていき、ナンバーワン・バンドの次作で再び嘉門雄三が楽曲提供することになります。

2016年12月23日金曜日

Anniversary「To Hurt A Friend」[Ken Gold Songbook]


The Sugarbeats解散後、どうなってどうなったか1971年に後のKen GoldことChristian Goldは“あの”Screen Gems-Columbia Musicと契約します。翌72年4月、英Parlophoneから謎のグループ?Anniversaryのシングル「Jo-Jo」c/w「To Hurt A Friend」がリリースされましたが、このAnniversary、どうもGoldのソロ・プロジェクトのようです。両面ともChristian Gold作、アレンジャーはDon Gouldとありますが、これは別にGoldの変名ではなく、元Applejacksのキーボードで、解散後アレンジャーに転じていたDon Gouldでありましょう。

なにしろ売れなかったようでプロモ盤しか見かけないのですが、これを見るとEMI/Parlophoneはあくまで配給で、Screen Gems-Columbia Music原盤であることが記されています。ドイツでもリリースされたようですが、こちらは後にDelegation(GoldのKego Production)が配給契約することになるAriolaからリリースされています。

そして何と、7月には日本でもリリースされていました。設立2年目にしておそらく経営が混乱していたキャニオン・レコードから、しっかり写真の入ったジャケット、八木誠さんのライナー付き、“Christian Gold & Anniversary / クリスチャン・ゴールド”名義でのリリースです。


このジャケットに犬とともに写った男性は、長髪ですが確かに『Denne And Gold』ジャケットのKen Goldと同一人物のように見え、

また日本語表記は完全にソロ名義ですので、やはり実態はGoldのソロと言っていいのでしょう。しかし特に本国から情報は無かったようで、八木誠さんのライナーは半分以上が一般論の前置きで(ご本人も「前置きが長くなってしまった」と書かれていますが)、「噂によるとこのレコードのプロデューサーはあのニュー・シーカーズを育てた人と同じらしい。その真意ははっきりしないのだけれども」なんてあやふやな話しかありません(New Seekers云々は単純に「Jo-Jo」の雰囲気が前年の彼等のDelaney & Bonnieのカバー・ヒットに似ている、というか元ネタなだけなんじゃないかという気が…日キャニオンが目をつけたのもそういう理由かもしれませんね)。


さてそんな「Jo-Jo」のB面に入ったのはサラッとした、同時期の男性シンガーソングライター風な香りもする小品「To Hurt A Friend」です。軽めですが切ないメロディが繰り広げられる、個人的にはA面よりお気に入りの一曲です。A・B面とも後のGoldからするとあまり想像がつかない路線ですが、ソウル路線に舵を切る前に、いろいろやっていたんですね。同年、ニュージーランドのシンガー、Nash ChaseもシングルのB面で取り上げています。

結局Anniversaryの2枚目は無かったようですが、この後、作家として、Sugarbeats元メンバー〜Tony Rivers周辺の仕事が増えていきます。




2016年11月30日水曜日

高樹澪「恋の女のストーリー」「MIO-SUN」[桑田佳祐 Songbook]

1981年、アミューズが映画制作部門アミューズ・シネマ・シティを設立します。小学生の頃から映画狂で、もともとは映画の世界に進もうとしていた大里洋吉さんですから、アミューズ設立後も、虎視眈々と映画界への参入を狙っていたかと思います。第一弾作品として制作・6月に公開されたのが「モーニング・ムーンは粗雑に」でした。桑田佳祐さんが音楽監督のみならず企画としてクレジット(ホントかどうかわかりませんが…そもそも制作前段階では主演という書き方をされた記事もありましたので、事務所の意向はそうだったのかもしれません)され、サザンの新曲が多く使われることになりました。配給はスーパーハリウッドという、大きく出た名の謎の組織ですが、これも大里さんが率いています。映画新規参入者という自身の立場を逆手に既存の配給ルートは使わず、既にアミューズで培ったコンサートのノウハウを流用し、全国の小ホール等で上映するという、ひと味違ったインディーな手法で展開されました。

映画の出来は現在気軽に見ることの出来るWeb上のレビューでも散々なものばかりなので多くは触れませんが、81年7月リリースの『ステレオ太陽族』収録のサザンの楽曲が映画用モノ・ミックスで、また未完成バージョン(「ステレオ太陽族」「栞のテーマ」)やリリースされていない楽曲(ディスコのシーンでのインスト、また「I'm just a cherry boy 夢見るだけの〜」から始まるハチロクの曲)も聴けるという点で美味しい映画と言えます。

映画の主演はアミューズでなく成プロ所属で「モーニング・ムーンは粗雑に」がデビュー作である高樹澪さんです。彼女が劇中で歌い、デビュー曲として8月にキャニオンからリリースされたシングルが「恋の女のストーリー」と「MIO-SUN」のカップリングでした(両A面、と言っていいのかどうかはっきりしませんが…)。両面ともに桑田さん作・八木正生さんの編曲です。


「恋の女のストーリー」は、高樹さんによると歌唱指導に現れた桑田さんが目の前で数分で書きあげた曲だったということで、桑田さん自身もメロディは15分ぐらいで書いたと語っています。Beatlesの某曲冒頭のコード進行をベースに、Billy Holidayっぽいものやりたいと思いながら書いたそうです。高樹さんのバージョンは、気だるくちょっと背伸びした感じの歌唱が味わい深いです。劇中の(マイム)演奏でHARABOSEの方々が登場してますが、レコードのバージョンもこれと同じベーシックトラックを使っているように聴こえますので、実際の演奏も同じ方々なのでしょうか?82年6月リリースのファースト・アルバム『NADA』に収録された「恋の女のストーリィー」はチト河内さん編曲の他の曲にあわせた、ジャズ歌謡風の完全別バージョンです。こちらも八木さんが編曲にクレジットされておりますが、むしろシングルはどこまで八木さんが関わっているのか不明ですね(劇中の演奏にアコギとサックス、ストリングスが加えられていますが…)。


さて、もう一方の「MIO-SUN」(何というヒネリの無さ)、どうも雰囲気的には70年代の女性SSW、というかCarole Kingあたりを意識したんでしょうか?爽やかで、少し切ないメロディを高樹さんの味のある歌唱と八木正生さんがクレジットされた編曲の演奏が彩ります。これもHARABOSEの皆さんのリズムでしょうか。斎藤誠さんかもしれないクリアトーンのギター、とても聴かせます。「恋の女のストーリー」も劇中では作曲者夫妻のハモりが聴こえていましたし、「MIO-SUN」でも、サビのオクターブ下の男声コーラスはやっぱり作曲者の方でしょうか。こちらは『NADA』の収録は漏れましたが、83年8月リリースの12インチ『TO SING AGAIN』に収録されました。



2016年10月25日火曜日

大滝詠一『GO! GO! NIAGARA』のバージョン違い


大滝詠一さんの『GO! GO! NIAGARA』リリースから40年となりましたので恒例の収録曲バージョン違いをまとめました。私はこのアルバムは96年の「'76 ORIGINAL MASTER」とシールが貼られ、ライナーに「76年発売時のオリジナル・マスターを(中略)丁寧にリマスタリングしたもので、100%オリジナルのままです」と書かれたCDで初めて聴いたのですが、その後LPを買って聴くと、全体に乾いた音で、特に「Cobra Twist」なんて冒頭のバランスから違うのに、「CDとLPで同じマスターでもここまで違うのか、うむうむ」などと思っていたものです。さらにその後、06年の30周年盤で「96年版に関しては、敢えて“リミックス”であることを公式には謳いませんでした」とネタ明かしをされたときは衝撃でしたね。その際にも大瀧さんは「(96年ミックスは)フェイドアウトが違うとか、ヒントはあった」とかおっしゃってましたが、30周年盤に入っている96年ミックスはフェイドアウトがオリジナル並みに長いものもありまして。ほんとうに、大瀧さんという方はつかみどころの無い方でした…。


●GO! GO! Niagaraのテーマ 〜 Dr. Kaplan's Office

◆Version A
GO! GO! NIAGARA 1976
GO! GO! NIAGARA 1981
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA VOX
GO! GO! NIAGARA 2006
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 2011

◆Version B … 歓声のSEが入らず、エコーが深い、(笛吹銅次のクレジットだが、30周年盤ライナーによると)吉田保の86年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1986
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 1986

◆Version C … Version Aと同じようにミックスした96年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1996
GO! GO! NIAGARA 2006


●趣味趣味音楽

◆Version A
GO! GO! NIAGARA 1976
GO! GO! NIAGARA 1981
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA VOX
GO! GO! NIAGARA 2006
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 2011

◆Version B … エコーが深い、(笛吹銅次のクレジットだが、30周年盤ライナーによると)吉田保の86年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1986
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 1986

◆Version C … Version Aと同じようにミックスした96年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1996
GO! GO! NIAGARA 2006

◆Version D … 77年6月20日渋谷公会堂でのライブ・テイク
DEBUT 1978
DEBUT in  NIAGARA BLACK VOX
DEBUT in  NIAGARA CD BOOK 2011


●あの娘に御用心

◆Version A
GO! GO! NIAGARA 1976
GO! GO! NIAGARA 1981
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA VOX
GO! GO! NIAGARA 30th Aniv.
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 2011

◆Version B … エコーが深く、最後までフェイドアウトしない、(笛吹銅次のクレジットだが、30周年盤ライナーによると)吉田保の86年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1986
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 1986

◆Version C … Version Aと同じようにミックスした96年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1996
GO! GO! NIAGARA 2006

◆Version D … 78年にリレコーディングされた「あの娘に御用心 '78」
DEBUT 1978
DEBUT in  NIAGARA CD BOOK 2011

◆Version E … Version Dと同じだが、かなり早くフェイドアウトする
GO! GO! NIAGARA 1996

◆Version F … 76年2月20日に『NIAGARA TRIANGLE VOL.1』プロモーション用に制作された映像用のスタジオ・ライブ
MORE MORE NIAGARA FALL STARS in NIAGARA VOX
NIAGARA FALL STARS '81 REMIX SPECIAL in NIAGARA CD BOOK II 2016

◆Version G … Version Fと同じテイクだが、エコーの少ないタイトな別ミックス
NIAGARA MOON 1995


●ジングル:ベースボール

◆Version A
GO! GO! NIAGARA 1976
GO! GO! NIAGARA 1981
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA VOX
GO! GO! NIAGARA 2006
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 2011

◆Version B … エコーが深く、フェイドアウトするまでが長い、(笛吹銅次のクレジットだが、30周年盤ライナーによると)吉田保の86年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1986
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 1986

◆Version C … Version Aと同じようにミックスした96年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1996
GO! GO! NIAGARA 2006


●こいの滝渡り

◆Version A
GO! GO! NIAGARA 1976
GO! GO! NIAGARA 1981
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA VOX
GO! GO! NIAGARA 2006
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 2011

◆Version B … エコーが深く、滝のSEから始まり、間奏でナイアガラ・ムーンが登場する、(笛吹銅次のクレジットだが、30周年盤ライナーによると)吉田保の86年ミックス、締めの一言は入っていない
GO! GO! NIAGARA 1986
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 1986

◆Version C … Version Aと同じようにミックスした96年ミックスだが、締めの一言の前にカットアウトする
GO! GO! NIAGARA 1996

◆Version D … Version Cと同じだが、Version A同様締めの一言まで入っている
GO! GO! NIAGARA 2006


●こんな時、あの娘がいてくれたらナァ

◆Version A
GO! GO! NIAGARA 1976
GO! GO! NIAGARA 1981
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA VOX
GO! GO! NIAGARA 2006
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 2011

◆Version B … エコーが深くヴォーカルが大きい、(笛吹銅次のクレジットだが、30周年盤ライナーによると)吉田保の86年ミックス、楽曲が終了して13秒後のつぶやきは無し
GO! GO! NIAGARA 1986
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 1986

◆Version C … Version Aと同じようにミックスした96年ミックス、楽曲が終了して13秒後のつぶやきは無し
GO! GO! NIAGARA 1996
GO! GO! NIAGARA 2006


●ジングル:月曜の夜の恋人に

◆Version A
GO! GO! NIAGARA 1976
GO! GO! NIAGARA 1981
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA VOX
GO! GO! NIAGARA 2006
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 2011

◆Version B … エコーが深く、DJが登場する前にカットアウトする、(笛吹銅次のクレジットだが、30周年盤ライナーによると)吉田保の86年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1986
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 1986

◆Version C … Version Aと同じようにミックスした96年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1996
GO! GO! NIAGARA 2006


●針切り男

◆Version A
GO! GO! NIAGARA 1976
GO! GO! NIAGARA 1981
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA VOX
GO! GO! NIAGARA 2006
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 2011

◆Version B … エコーが深く、ヴォーカルが大きめで、フェイドアウトまでがかなり長い、(笛吹銅次のクレジットだが、30周年盤ライナーによると)吉田保の86年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1986
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 1986

◆Version C … Version Aと同じように(若干派手?)ミックスしているが、フェイドアウトがVersion Aより早い96年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1996
GO! GO! NIAGARA 2006


●ニコニコ笑って

◆Version A
GO! GO! NIAGARA 1976
GO! GO! NIAGARA 1981
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA VOX
GO! GO! NIAGARA 2006
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 2011
BEST ALWAYS

◆Version B … エコーが深い、(笛吹銅次のクレジットだが、30周年盤ライナーによると)吉田保の86年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1986
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 1986

◆Version C … Version Aと同じようにミックスした96年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1996
GO! GO! NIAGARA 2006

◆Version D … 新たにヴァースが加えられた、77年6月20日渋谷公会堂でのライブ・テイク
DEBUT 1978
DEBUT in  NIAGARA BLACK VOX
DEBUT in  NIAGARA CD BOOK 2011

◆Version E … Version Dと同じだが、最後の観客の一声がカットされている
GO! GO! NIAGARA 1996


●ジングル:ナイアガラ・マーチ

◆Version A
GO! GO! NIAGARA 1976
GO! GO! NIAGARA 1981
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA VOX
GO! GO! NIAGARA 2006
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 2011

◆Version B … 楽器が全てオミットされアカペラで、エコーが深く、ロックンロール・マーチのコーラスが入った、(笛吹銅次のクレジットだが、30周年盤ライナーによると)吉田保の86年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1986
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 1986

◆Version C … Version Aと同じようにミックスした96年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1996
GO! GO! NIAGARA 2006


●Cobra Twist

◆Version A
GO! GO! NIAGARA 1976
GO! GO! NIAGARA 1981
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA VOX
GO! GO! NIAGARA 2006
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 2011

◆Version B … ドラム、ベース、シンセを追加ダビングした(←「大滝詠一レコーディング・ダイアリーVol.1」によると、ダビングしたにもかかわらずこのミックスでは使われていませんでした…)シングル用のモノ・ミックス
青空のように(Single)
青空のように in NIAGARA 45RPM VOX
NIAGARA 45RPM VOX CD Edition in NIAGARA 45RPM VOX

◆Version C … Version B作成時点でダビングしていたパートを含め作られた81年のステレオ・ミックスで、終盤にはシンセのコブラ笛も登場し、フェイドアウトせず完奏する
MORE MORE NIAGARA FALL STARS in NIAGARA VOX
NIAGARA FALL STARS '81 REMIX SPECIAL in NIAGARA CD BOOK II 2016

◆Version D … Version Cの編成で、エコーが深い、(笛吹銅次のクレジットだが、30周年盤ライナーによると)吉田保の86年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1986
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 1986

◆Version E … Version Aの編成で、Version Aと同じように(若干派手?)ミックスした96年ミックスだが、フェイドアウトが早い
GO! GO! NIAGARA 1996

◆Version F … Version Cと同じだが、完奏せずフェイドアウトする。フェイドアウトの後、つぶやきあり
GO! GO! NIAGARA 1996

◆Version G … Version Eと同じだが、フェイドアウトのタイミングはVersion Aと同じ
GO! GO! NIAGARA  2006


●今宵こそ

◆Version A
GO! GO! NIAGARA 1976
GO! GO! NIAGARA 1981
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA VOX
GO! GO! NIAGARA 2006
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 2011

◆Version B … エコーが深く、ヴォーカルが大きめで、大幅にコーラスがカットされた、(笛吹銅次のクレジットだが、30周年盤ライナーによると)吉田保の86年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1986
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 1986

◆Version C … Version Aと同じようにミックスした96年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1996
GO! GO! NIAGARA 2006


●再びGO! GO! Niagaraのテーマ

◆Version A
GO! GO! NIAGARA 1976
GO! GO! NIAGARA 1981
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA VOX
GO! GO! NIAGARA 2006
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 2011

◆Version B … エコーが深く、Version Aよりフェイドアウトが早い、(笛吹銅次のクレジットだが、30周年盤ライナーによると)吉田保の86年ミックス。楽曲が終了して13秒後につぶやきあり
GO! GO! NIAGARA 1986
GO! GO! NIAGARA in NIAGARA CD BOOK 1986

◆Version C … Version Aと同じようにミックスしているが、フェイドアウトがかなり早い96年ミックス
GO! GO! NIAGARA 1996
GO! GO! NIAGARA 2006

2016年9月29日木曜日

The Sugarbeats「Sunny Day Girl」[Ken Gold Songbook]

唐突に話が60年代まで遡って申し訳ありませんが、「You Are The Song」以前のKen Goldの作品のいくつかがなんとなくわかってきましたので、不確定なところもありますがせっかくなのでそのまま綴っていくことにします。



60年代半ば、イギリスでSugarba、いえSugarbeatsというバンドが2枚のシングルをPolydorに残しています。Sugarbeatsとは"Music sweet with a beat"なサウンド・コンセプトを表しているそうで、なかなか素敵なコンセプトですね。このバンドのメンバーは、Martin Shaer、John Perry、Geoff Swettenham、Pete Swettenham、そしておそらく、後のKen GoldことChristian Goldが在籍していたようです。

2枚のシングルですが、66年5月に「I Just Stand Here」c/w「The Ballad Of Ole Betsy」、同年10月に「Alice Designs」c/w「Sunny Day Girl」とリリースされました。いずれもプロデュースはRichard Hill、アレンジはJack Dorsey(2枚目はRichard Hillと連名)によるものです。

「I Just Stand Here」は1964年にアメリカの作家コンビStephen SchlaksとCharlie Weissによって書かれ、Robert Loye Jr.(Bob Loye)に歌われたホワイト・ドゥーワップものを、ビート・グループらしい演奏とファルセットが印象的な厚いコーラスで聴かせます。そしてB面、「The Ballad Of Ole Betsy」はおなじみBeach Boys 63年の『Little Deuce Coupe』収録のBrian Wilson & Roger Christian作の名三連バラードですが、特にヒネることなく、オリジナルに忠実なカバーです。

「Alice Designs」はTandyn Almer作で、“LSD Signs”とのダブル・ミーニングなタイトルからいかにもなサイケ・ポップで、1枚目と比べるとちょっと印象が変わります。
しかしB面「Sunny Day Girl」、これは1枚目、特にB面の路線をさらに強化させた1曲です。この曲の作者クレジットがGold-Swettenhamでして、唯一のメンバー作によるオリジナル?で、たぶん、このGoldがChristian Goldであると思われます。この曲、見事なまでの“1965年のBeach Boys”イミテーションになっています。とにかく、聴いていただければわかりますが、これは笑います。イギリスでのBeach Boysはシングルこそアメリカの数ヶ月遅れでリリースされていましたが、アルバムになるとシングルが大ヒットしない限りリリースが見送られていたようで(そして出たアルバムもほとんどチャート・インしなかったようで)、『Pet Sounds』まではてんでバラバラにリリースされていたようです。その結果、66年は前半だけで『Party』『Today』『Summer Days』『Pet Sounds』と駆け込みで怒濤のリリースでしたから、SugarbeatsのメンバーもBeach Boys熱に浮かされているのが推測されます。この頃から、憑依芸といいますか、Goldの、敬愛する先達への高レベルな愛情表現の萌芽が見て取れます(しかし、原点がBeach Boysとは…)。

Sugarbeatsは2枚のシングルリリース後、ハイレベルなBeach Boysへの愛(再現性?)を買われてか、67年にTony Rivers & The CastawaysにMartin Shaer、John Perry、Geoff Swettenham、Pete Swettenhamnの4人が引き抜かれ、解散となります。同年、PerryとSwettenham兄弟は速攻でグループを抜け、George AlexanderとGrapefruitを結成することになります。

さて、残されたGold以外にSugarbeatsにメンバーがいたのかどうか不明ですが、Goldはこの後71年にScreen Gems-Columbia Musicと作家契約をします。それまでの間の動きはわかりませんでした。とはいえ、こういった経緯があったというのを踏まえると、70年代初頭〜半ばまではTony Riversや元バンドメンバー絡みの仕事が多かった、というのも何となく繋がりますね。

2016年8月11日木曜日

タモリ「狂い咲きフライデイ・ナイト」「スタンダード・ウイスキー・ボンボン」[桑田佳祐 Songbook]

タモリさんのCBSソニー移籍第一弾であるサード・アルバム、録音順では4作目となる『ラジカル・ヒステリー・ツアー』(81年5月リリース)には、桑田さん書き下ろしの2曲が収録されています。

70年代後半、タモリさんは密室芸人としてその名を轟かせカルトな人気を獲得していました。サザンのデビュー後にも「ザ・ベストテン」で中州産業大学芸術学部音楽理論のタモリ教授として講義、桑田さんを押しのけてサザンの演奏をバックに「勝手にシンドバッド」をオリジナルの歌詞でブルマ姿で絶唱、といった共演もありました。

その批評性とエンターテインメント性の高さで伝説となっている『タモリ』『タモリ2』、そしてレコード会社やその他の圧力で一定数しかリリースされなかった『タモリ3 戦後日本歌謡史』をアルファレコードに残したタモリさんですが、CBSソニー移籍後の本作は、基本的に普通の歌もの作品です(それぞれ曲間にはタモリさんの一人複数役のコントが入っていますが…)。タイミング的には前年秋から主婦向けのラジオ番組や日曜お昼の番組を開始する等、タモリさんが徐々にカルトな密室芸人から路線を変更し始めた頃で、レコードの路線もそういった流れの影響があるのかもしれません。そんな中での桑田さんへのオーダーだったと思われます。

モダンジャズのイメージがあるタモリさんですが、本作の演奏は70年代からのトレンドであるフュージョン風味でそれもそのはず、ザ・プレイヤーズかザ・スクェアが作曲家ごとにそれぞれ演奏を受け持っています。桑田さん提供の2曲はいずれも鈴木宏昌さんの編曲で、プレイヤーズ(鈴木さん・松木恒秀さん・岡沢章さん・渡嘉敷裕一さん)が担当しています。プレイヤーズの中心、鈴木さんはアルファ時代のタモリさん作品のサウンド方面の要で、今回も引き続きタモリさんをサウンド面で支えています。ちょうど本作リリース直前に始まった日本テレビ「今夜は最高!」でもプレイヤーズは演奏で出演していました。次作『HOW ABOUT THIS』(これはビクターのインビテーションから出ていますね)でも引き続き鈴木さんと松木さんがタモリさんを支えています。

「狂い咲きフライデイ・ナイト」はほぼ同時期の「I LOVE YOUはひとりごと」に続く桑田さん印のジャズ歌謡です。アルバム中いかにもなジャズ歌謡風の楽曲はこれだけなので、若干浮いてますが、プレイヤーズに数原晋さんのトランペットを加えたタイトな演奏が素晴らしいです。タイトであるが故に桑田さん関連曲らしからぬ雰囲気ですが、やはりメロディやタモリさんの歌唱は桑田さんらしさが出ているかと思います。

「スタンダード・ウイスキー・ボンボン」は一転してアーバンでライトメロウなボサノヴァ風の一曲で、プレイヤーズの演奏がとても良く合っています。特に間奏、松木さんのギターや鈴木さんのエレピ、薄く入ったソリーナがたまりません。コーラスはクレープとクレジットがありますが、詳細不明です。

桑田さん提供の2曲は、アルバムリリースの翌月、タモリさんのファースト・シングルとしてカットされています。

2016年7月18日月曜日

Randy Crawford「Wrap-U-Up」 Smokey Robinson「(It's The) Same Old Love」 Teddy Pendergrass「It's Over」 Carl Anderson「The Closest Thing To Heaven」[Ken Gold Songbook]

80年代半ば以降、徐々に世に出す作品が少なくなっていったKen Goldですが、80年代末〜90年代冒頭にかけ、大物シンガーにバラードものを次から次へと提供しています。


まずはRandy Crawford、1989年のアルバム『Rich And Poor』に収録されました「Wrap-U-Up」です。Goldとイギリスのシンガー・ソングライターMaggie Ryderとの共作で、プロデュース&アレンジはRobin Millar。89年の映画主題歌となったBob DylanのカバーかつEric Clapton・David Sanbornとの共演である「Knocking On Heaven's Door」に続く、アルバムからのセカンド・シングルとしてリリースされ、全米R&B15位を記録しました。必要以上に仰々しくならないメロディのセンスはさすがといったところです。


Smokey Robinsonの、長年在籍したモータウンでのラスト・アルバム、90年作『Love, Smokey』に収録されている「(It's The) Same Old Love」。こちらはGoldとBrenda Madisonとの共作で、プロデュース&アレンジはKeith AndesとLarry Hatcher。こちらもアルバムからのセカンド・シングルとしてリリースされ、全米R&B68位・全米アダルトコンテンポラリー32位を記録しました。若干80年代後半を引きずったような雰囲気ではありますが、そういう意味でも個人的にはこの4曲の中で一番好みかもしれません。


Teddy Pendergrassの90年作『Truly Blessed』収録の「It's Over」はGoldとアメリカの作曲家Sue Shifrinとの共作で、アレンジはハワイ出身のDerek Nakamotoが担当、プロデュースはDerek NakamotoとエンジニアのCrag Burbidgeがクレジットされています。この4曲の中では珍しい、マイナー・メロディの渋めな1曲に仕上がっています。


少し間が空きますがCarl Andersonの92年作、『Fantasy Hotel』収録の「The Closest Thing To Heaven」はGoldとイギリスのシンガー・ソングライターAndy Caineの共作で、プロデュース&アレンジは元RufusのドラマーAndre Fischer。バラード4連発の締めにふさわしい、壮大な楽曲でアルバムの中でもハイライトと言えるでしょう。

これら4曲、どれもアダルトでコンテンポラリーなバラードに仕上がっていまして、曲の良さと歌の巧さの組み合わせが絶妙です。このような断続的な楽曲提供の時期を経て、翌93年、Goldは久々にアルバム1枚全編の制作に関わることになります。