2017年9月30日土曜日

ザ・ナンバーワン・バンド「茅ヶ崎は今日も黄色い」「プロレスを10倍楽しく見る方法/今でも豊登を愛しています」[桑田佳祐Songbook]


前年のファースト・アルバム『もも』とライブが好評で、ザ・ナンバーワン・バンドはセカンド・アルバムを製作することになります。前作と同じくプロデュースは佐藤輝夫さんと小林克也さん、基本のリズム・セクションも同じく成田昭彦さん・小室邦雄(琢磨仁)さん・深町栄さん・佐藤輝夫さんに、ライブの流れで当時アミューズ所属の斎藤誠さんが加わっています。相変わらず遊び心満載のアルバムで、これまた前作に続き、ゲストで鈴木慶一さんや白井良明さんも参加、そして嘉門雄三こと桑田さんが2曲に作編曲で携わっています。

「茅ヶ崎は今日も黄色い」はおなじみ内山田洋とクール・ファイブ(唄:前川清)の有名曲のパロディで、小林さんのみならず嘉門雄三もヴォーカルとして参加、二人のデュエットとなります。間奏や最後にアクセントをつけ、楽しいムード歌謡が繰り広げられます。

「プロレスを10倍楽しく見る方法/今でも豊登を愛しています」はシャッフルのブルース・ナンバーで、ダミ声ヴォーカルの小林さんの熱唱が聴けます。嘉門雄三の2曲のみ、村上秀一さん・美久月千晴さん・森村誠さん・幾見雅博さん・斎藤誠さんというセクションで、さらにはいずれも難波弘之さんをフィーチャーしています。この曲でも難波さんのハモンドが最高です。


さて、この『東京あたり』、LPと同時に出たカセットはジャケット違い・曲順別・また曲によってバージョンが違うもので収録されているという、いかにもいわゆるミュージック・カセットが一般的だった当時ならではな、お遊び仕様でリリースされました。「茅ヶ崎は今日も黄色い」は小林さんと嘉門雄三のヴォーカルパートが逆になったLPとは別ミックス、また続いて左にカラオケ、右に小林さんの歌唱指導が入ったカラオケ・ミックスの2バージョンが収録されています。本作は2015年に初CD化されましたが、よりによってカセット・バージョンでリリースされるという倒錯ぶりです。

また、「プロレスを10倍楽しく見る方法/今でも豊登を愛しています」は灰田勝彦さんのカバー「野球小僧」とのカップリングでシングル・リリースされています。「両A面」なので、片面に33回転で2曲突っ込み裏は収録無しという、これまた遊び心たっぷりの、でも有り難みのないシングルなのでした。

ナンバーワン・バンドはこの後も作品のリリースを続けるのですが、嘉門雄三による楽曲提供はここで一段落となります。ただし、85年の『はっぱすいすい』ではノンクレジットではあるものの、嘉門雄三なのか桑田さんなのか、声を聴くことができます。

(以下リンクもカセット用マスターです)

2017年8月28日月曜日

Anthony T. Gibson「Say It Isn't So」「Special Kinda Woman」「I Want A Lover」「Searching For Romance」and others [Ken Gold Songbook]

92年まで大物に1曲ずつ楽曲提供していたKen Goldですが、93年に全編に渡りプロデュース、バックアップしているアルバムがリリースされました。


英国ロンドンはabout timeというレーベルからリリースされているのが、素性はよくわかりませんがAnthony T. Gibsonというシンガーのアルバム『The Complete... Anthony T. Gibson』です。Completeと言いつつこれと収録曲「Ain't No Way」/「If You Need Someone」の12インチ1枚しか世に出ていない様子ですが、このアルバムのプロデュース・アレンジがGoldとGibsonの連名でクレジットされています。作家・Goldの作品は、今回はGibsonとのコンビで6曲、また単独作が1曲収録。それだけにとどまらず、Goldは1曲を除き全曲のコンピューター&シンセサイザー・プログラミング、また1曲を除き全曲のキーボード、そして全曲のレコーディング・エンジニアとしてもクレジットされています。つまりはインディーなのでGoldとGibsonの、少数精鋭の2人で制作された、という背景かとは思いますが、良くいえば非常にシンプルなサウンドに仕上がっている、ということで…。ちなみに録音は英国ではなく、米国はラスベガスということです。

アルバム全体としては70年代ブラックミュージックをベースに同時代的な要素を加えているといった感じです。作家・Goldのクレジットされた作品では、「Say It Isn't So」は渋い三連のソウル・バラード、またGold単独作の「Is It For Real」も同傾向の曲で、これも途中から三連になります。新機軸としては「Special Kinda Woman」「Take The Money And Run」の2曲がいわゆるNJSもので、93年ということを考えると若干ブームが過ぎ去っているのですが、Goldを魅了するものがあったのでしょう。Goldはこれに飽き足らず、これ以降もNJSにトライすることになります。「I Want A Lover」は直近ではMariah Carey「Emotions」の影響かと思しき、Emotions「Best Of My Love」・Cheryl Lynn「Got To Be Real」などでおなじみのビートを使った楽曲です。「If You Need Someone」「Searching For Romance」は70年代のシカゴあたりのソウルを思わせるビートを使った、渋い雰囲気ですが好みの楽曲です。また、Goldは作曲に関わっていませんが「Sitting In The Park」なんかはグラウンドビートの1曲だったりします。

地味ではありますが渋い1作となったこのアルバムを経た数年後、GoldはRicky Bailey一人で活動を続けていたDelegationと久々にタッグを組むことになります。




2017年7月27日木曜日

上田正樹「ミス・ユー・ベイビー Miss You Baby」[桑田佳祐Songbook]

1983年4月に公開された村上龍さん原作の映画「だいじょうぶマイ・フレンド」は、1979年の映画「限りなく透明に近いブルー」と同じく制作キティ・フィルム、脚本・監督も村上龍さんという体制で作られました。「限りなく透明に近いブルー」のサウンド・トラックは星勝さん編曲による洋楽カバー中心で、井上陽水さん、山下達郎さん、上田正樹さん、小椋佳さん、カルメン・マキさんなど、錚々たる皆さんをヴォーカルに迎えた作品でしたが、第二弾の本作は音楽監督に加藤和彦さんを迎え、実際の音楽は当時加藤さん関連の作品でも多数の名曲を繰り広げていた清水信之さんが担当しています。このサウンド・トラックに収められた上田正樹さんの「ミス・ユー・ベイビー」が、桑田さんのペンによる楽曲でした。83年4月の公開と同時にサントラがキャニオンから、またシングルが上田さんの契約していたCBSソニーからリリースされています。


楽曲はサザン「栞のテーマ」をぐっとブルージーにしたような三連のロッカ・バラードで、桑田さんの提供曲の中では出色の出来です。既にサザンは既存路線から離れようとしていた頃で、数ヶ月後にリリースされる『綺麗』では三連でもアプローチを変え繊細さを前面に出した「NEVER FALL IN LOVE AGAIN」が収録されます(その後も「Dear John」「悲しみはメリーゴーランド」と、バラエティに富んだアプローチが続きます)。既存のサザンの雰囲気を残した桑田さんの三連シリーズは、この「ミス・ユー・ベイビー」でいったん締めくくりを迎えたと言えます。なお、歌詞が女性目線の内容ですが、これはおそらく映画の内容を踏まえて書かれたのでしょう。

クレジットがありませんが、おそらく演奏や打ち込みは編曲の清水信之さんが一人で担当されていると思われます。当時のEPOさん等でおなじみの黒くてもポップなセンスは変わりませんが、一人多重でやっているところが個人的にポイント高いです。ドラムはリン・ドラムでしょうか。間奏での2本対位でのギター・ソロもたまりません。また、コーラスに須藤薫さんを起用しているのが素晴らしいアクセントになっています。

当時の上田さんは『After Midnight』から82年10月に「悲しい色やね」がシングル・カット、これが緩やかにチャートを駆け上り、ピークに達したのが83年6月のことなので、まさにそのヒット直前に「ミス・ユー・ベイビー」はリリースされたことになります。こちらもバラードでしたので、ちょっとリリースのタイミングは良くなかったかもしれません。その後、キティ原盤ということなのか、同年9月公開のキティ・フィルム制作映画「みゆき」でも使用され、サントラLPに収録されました。


同年10月にリリースされた上田さんのアルバム『Husky』では、「Miss You Baby」として新たに星勝さんの編曲でリレコーディングされています。こちらは上原“ユカリ”裕さん、中村裕二さん、中西康晴さん、川島裕二さん、青山徹さんらによる演奏です。サックスとして砂原俊三さん、井上大輔さんのクレジットもあります。歌詞は映画と関係なく、純粋に上田さんのアルバム用の楽曲となったためか、男性目線の内容に書き直され、若干英語が減っています。ミックスは当時のCBSソニーらしく?、吉田保さんです。なお、『Husky』バージョンの「Miss You Baby」は通常のシングルは出ませんでしたが、プロモ盤シングルは作られています。

上田さんと桑田さんという珍しい組み合わせではありますが、個人的にはジューシィ・フルーツ「海」とともに、桑田さんの提供曲の中ではフェイバリット・ナンバーのひとつです。


2017年6月25日日曜日

シリア・ポール『夢で逢えたら』のバージョン違い


『夢で逢えたら』のリリースから40年です。このシリーズもはやこの作品まできてしまいました。『NIAGARA 45RPM VOX』ではシリアさんはシュガー・ベイブとともに未収録となりましたが、今後何か繰り出してくる予定でもあるのでしょうか(シュガー・ベイブはたぶんマスターが無かったので、それだけTim Youngに盤起こしでデジタル・マスター作らせるわけにいかなかったのかな、なんて思っていますが)。ではいつものようにいってみましょう。
(2018/4 やはり繰り出されましたので、最新情報に更新しました)


●夢で逢えたら

◆Version A 
夢で逢えたら 1977
NIAGARA FALL STARS
NIAGARA FALL STARS in NIAGARA VOX
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら in NIAGARA CD BOOK I 2011
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version B … ストリングスをフィーチャーしたインストの「夢で逢えたら、もう一度」
夢で逢えたら 1977
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら in NIAGARA CD BOOK I 2011
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version C … シングル・ミックス
夢で逢えたら(Single) 1977
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version D … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK VOX

◆Version E … 吉田保による86年のリミックス、一部ヴォーカルはダブルでなくシングルで若干フェイドアウトが長い
NIAGARA FALL STARS 2nd Issue 1986
NIAGARA FALL STARS 2nd Issue in NIAGARA CD BOOK I 1986
夢で逢えたら 1987
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK BOOK
夢で逢えたら VOX
EIICHI OHTAKI SONGBOOK III 大瀧詠一作品集Vol.3「夢で逢えたら」

◆Version F … プロモ盤シングルに収録されたモノ・ミックス
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆TRACK A … プロモ盤シングルに収録されたモノ・ミックスのカラオケ
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version G … Version Cを左右反転したもの
音壁JAPAN

◆Version H … 音響ハウスで作られた、一部ヴォーカルが異なるステレオ・ファースト・ミックス
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version I … 音響ハウスで作られた、一部ヴォーカルが異なるモノ・ファースト・ミックス
夢で逢えたら VOX

◆TRACK B … 音響ハウスで作られた、フェイドアウトが遅く長く聴けるモノ・ミックス
夢で逢えたら VOX

◆Version J … 1977年6月20日渋谷公会堂でのライブ・テイク
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version K … 不採用となったベーシック・トラック(Take 2)
夢で逢えたら VOX


●恋はメレンゲ

◆Version A 
夢で逢えたら 1977
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら in NIAGARA CD BOOK I 2011
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version B … シングル・ミックス
夢で逢えたら(Single) 1977
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version C … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK VOX

◆Version D … 吉田保による86年のリミックス
夢で逢えたら 1987
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK BOOK
夢で逢えたら VOX

◆Version E … 音響ハウスで作られたステレオ・ファースト・ミックス
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆TRACK A … 吉田保による86年のリミックスのカラオケ
夢で逢えたら VOX

◆TRACK B … Version A・Bと同時に作られたカラオケ、モノ・ミックス
夢で逢えたら VOX

◆Version F … 1977年6月20日渋谷公会堂でのライブ・テイク
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018


●ドリーミング・デイ

◆Version A 
夢で逢えたら 1977
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら in NIAGARA CD BOOK I 2011
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK VOX

◆Version C … 吉田保による86年のリミックス、Version A・Dで登場しないシンガーズ・スリーのコーラスが入っており、終盤の「A Dreaming Day」のヴォーカルはオミット
夢で逢えたら 1987
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK BOOK
夢で逢えたら VOX

◆Version D … 音響ハウスで作られたファースト・ミックス
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆TRACK A … 吉田保による86年のリミックスのカラオケ
夢で逢えたら VOX

◆TRACK B … Version Aのカラオケ、Version Aと比べ40秒以上フェイドアウトが長い
夢で逢えたら VOX

◆Version E … 不採用となったベーシック・トラック(Take 2)
夢で逢えたら VOX


●One Fine Day

◆Version A 
夢で逢えたら 1977
MORE MORE NIAGARA FALL STARS in NIAGARA VOX
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら in NIAGARA CD BOOK I 2011
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK VOX

◆Version C … 吉田保による86年のリミックス
夢で逢えたら 1987
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK BOOK
夢で逢えたら VOX

◆Version D … 音響ハウスで作られたファースト・ミックス
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆TRACK A … 吉田保による86年のリミックスのカラオケ
夢で逢えたら VOX


●Walk With Me

◆Version A 
夢で逢えたら 1977
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら in NIAGARA CD BOOK I 2011
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK VOX

◆Version C … 吉田保による86年のリミックス、イントロのスティールギターは1本オミット
夢で逢えたら 1987
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK BOOK
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら VOX

◆Version D … 音響ハウスで作られたファースト・ミックス
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆TRACK A … 吉田保による86年のリミックスのカラオケ
夢で逢えたら VOX

◆TRACK B … Version Aのカラオケ
夢で逢えたら VOX

◆Version E … 不採用となったベーシック・トラック(Take 1)
夢で逢えたら VOX


●こんな時

◆Version A 
夢で逢えたら 1977
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら in NIAGARA CD BOOK I 2011
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK VOX

◆Version C … 吉田保による86年のリミックス、雷雨SEはオミットされ、他バージョンで1分前後SEが鳴り続けるコーダ部分に入るとすぐフェイドアウトする
夢で逢えたら 1987
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK BOOK
夢で逢えたら VOX

◆Version D … 音響ハウスで作られたファースト・ミックス、コーダ部分はVersion Aより20秒ほど早くフェイドアウトする
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆TRACK A … 吉田保による86年のリミックスのカラオケ、フェイドアウトせず完奏まで聴ける
夢で逢えたら VOX

◆TRACK B … Version Aと同時に作られたカラオケだがSEは入らず、Version Aより50秒ほど早くフェイドアウトする
夢で逢えたら VOX


●The Very Thought Of You

◆Version A 
夢で逢えたら 1977
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら in NIAGARA CD BOOK I 2011
BEST ALWAYS
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK VOX

◆Version C … ドラム・ベースを録り直した、吉田保による81年のリミックス
NIAGARA FALL STARS 1981
NIAGARA FALL STARS in NIAGARA VOX
NIAGARA FALL STARS 2nd Issue 1986
NIAGARA FALL STARS 2nd Issue in NIAGARA CD BOOK I 1986
夢で逢えたら 1987
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK BOOK
夢で逢えたら 1997
NIAGARA FALL STARS '81 REMIX SPECIAL in NIAGARA CD BOOK II
夢で逢えたら VOX

◆Version D … 音響ハウスで作られたファースト・ミックス
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version E … 1977年6月20日渋谷公会堂でのライブ・テイク
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆TRACK … Version Gのカラオケ
夢で逢えたら VOX

◆Version F … 不採用となったベーシック・トラック(Take 2)
夢で逢えたら VOX

◆Version G … サウンド・シティ・スタジオで作られたが、不採用となった別ミックス
夢で逢えたら VOX


●Whispering

◆Version A 
夢で逢えたら 1977
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら in NIAGARA CD BOOK I 2011
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK VOX

◆Version C … 曲中のセリフが別テイクの、吉田保による86年のリミックス
夢で逢えたら 1987
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK BOOK
夢で逢えたら VOX

◆Version D … 音響ハウスで作られた、一部大滝詠一のヴォーカルが異なるファースト・ミックス
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆TRACK … 吉田保による86年のリミックスのカラオケ
夢で逢えたら VOX


●Tonight You Belong To Me

◆Version A 
夢で逢えたら 1977
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら in NIAGARA CD BOOK I 2011
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK VOX

◆Version C … 吉田保による86年のリミックス
夢で逢えたら 1987
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK BOOK
夢で逢えたら VOX

◆Version D … 音響ハウスで作られたファースト・ミックス
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆TRACK A … 吉田保による86年のリミックスのカラオケ
夢で逢えたら VOX

◆TRACK B … Version Aのカラオケ
夢で逢えたら VOX


●Oh Why

◆Version A 
夢で逢えたら 1977
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら in NIAGARA CD BOOK I 2011
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version B … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK VOX

◆Version C … 吉田保による86年のリミックス
夢で逢えたら 1987
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK BOOK
夢で逢えたら VOX

◆Version D … 音響ハウスで作られたファースト・ミックス
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆TRACK A … 吉田保による86年のリミックスのカラオケ
夢で逢えたら VOX

◆TRACK B … Version Aのカラオケ
夢で逢えたら VOX


●Cha Cha Charming

◆Version A 
夢で逢えたら 1977
夢で逢えたら 1997
夢で逢えたら in NIAGARA CD BOOK I 2011
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆Version B … 演奏終了後の笑い声がカットされている
MORE NIAGARA FALL STARS in NIAGARA VOX

◆Version C … Version Aの2ミックス・マスターにエコーをかけたもの
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK VOX

◆Version D … 間奏最後に「You're My Cha Cha Charming Baby」のコーラスが入る、吉田保による86年のリミックス
夢で逢えたら 1987
夢で逢えたら in NIAGARA BLACK BOOK
夢で逢えたら VOX

◆Version E … 音響ハウスで作られたファースト・ミックス
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆TRACK A … 吉田保による86年のリミックスのカラオケ
夢で逢えたら VOX

◆Version F … 1977年6月20日渋谷公会堂でのライブ・テイク
夢で逢えたら VOX
夢で逢えたら 2018

◆TRACK B … Version Aのカラオケ
夢で逢えたら VOX

2017年5月28日日曜日

Hermits / Kenny Stockton「Ginny Go Softly」[Ken Gold Songbook]

75年5月にHermits(米国などでは変わらずHerman's Hermits)のシングルとしてPrivate Stockよりリリースされたのが「Ginny Go Softly」です。この曲が元SugarbeatsのChristian Goldと、同じく元SugarbeatsでTony Rivers & Castawaysに所属し、その後作家・プロデュース・A&Rなど多岐に渡り活動していたMartin Shaerの2人の共作でした。

元(と言っても当時の英国では、だったようですが)・Herman's HermitsことHermitsはこの頃になると年に1枚シングルが出れば良い方で、そもそもオリジナルメンバーは71年にはHermanことPeter Nooneが抜けてしまい、Barry Witwamの1名しか残っておらず、Witwamが一人でなんとかHermitsを存続させていた状況でした(その後いろいろありつつ、結果的に2017年現在存在する“片方の”Herman's Hermitsは同じような感じですが…)。このシングルも前年ニューヨークで設立されたばかりのPrivate Stockとの単発契約だったようです。

楽曲はといえばこれが意外とメロウでポップな佳曲で、正直75年のシングルとしてはちと地味で古臭い気がしますが、60年代ポップス育ちと思しき元Sugarbeatsの2人ならではのセンスが生かされた素敵な一曲と言えましょう。プロデュース(なのか原盤保有のクレジットなのかいまいち曖昧ですが)はHermit's Productions Ltdがクレジットされています。

また、同じ頃にカナダでKenny Stocktonというカントリーのシンガーのシングルとしてもリリースされています(「Ginnie Go Softly」と、米語綴りです)。こちらはプロデュースにMartin Shaer本人がクレジットされていますので、ひょっとしたらこちらがオリジナルといえるのかもしれません。いかにもカントリー然とした仕上がりですが、メロディの良さは変わらずといったところです。カナダといえばShaerはこの後、Brian AdamsのSweeny Todd加入にも関連しているという話もありますね。

さて、このシングルあたりを最後にChristian GoldはKen Goldにペンネームを改めるようです。同時期に、これ以降10年弱に渡り作家活動を共にすることになるMicky Denneとの共作が始まります。

2017年4月30日日曜日

中村雅俊「恋人も濡れる街角」「ナカムラ・エレキ・音頭」[桑田佳祐Songbook]

1982年は桑田さん・サザンがヒット・チャート、歌謡曲に久々に接近した年でした。1月にリリースされた「チャコの海岸物語」はざっくり言うと“古今の歌謡曲のパロディ”で(ある意味で後の秋元康さんに通じるものがあります)、ヒットと笑い、二つの意味でのウケ狙いで書かれた作品でした(まさか後世、サザンの代表曲として扱われるとは録音時は思っていなかったでしょう)。テレビでの積極的なプロモーションも功を奏し、見事にお茶の間にサザンが返り咲きました。その勢いを維持すべく5月にリリースされたアルバムからの先行シングル「匂艶THE NIGHT CLUB」はラテン歌謡・ミーツ・Quincy Jones風ディスコサウンドといった趣で、これまたヒットします。さらには7月にリリースされたアルバム『NUDE MAN』収録の「夏をあきらめて」が9月に研ナオコさんにカバーされヒットします。桑田さんはおそらくMarty Balin風AORの世界を狙ったのでしょうが、桑田さんのフィルターを経由することことで、西海岸から遠く離れた、圧倒的に湿った茅ヶ崎の雨空が浮かぶ楽曲に仕上がっています(桑田さんは研さんのバージョンや通信カラオケ等で、冒頭のDm9がDmに変えられている箇所に対する違和感を語っていましたが、良くも悪くもこれはこれでさらに湿り気が増しますよね)。

さて、そんな中、桑田さん側からのアプローチで、中村雅俊さんへの楽曲提供の話が立ち上がったようです。80年に提供した「マーマレードの朝」がオリコン最高121位とヒットに至らず、桑田さんとしてはリベンジの意図もあったようです。今回はシングル両面書き下ろしの新曲で、編曲・演奏まで桑田さんが関わっています。82年9月に1枚のシングルとしてリリースされました。


「恋人も濡れる街角」はボッサ歌謡で、中村さんの歌唱は桑田さんのデモをなぞったような特徴的な歌い方ですが、中村さんのフィルターが通ったことで前川清さん風と捉えることも出来ます。実際、この楽曲について桑田さんは自身のルーツのひとつでもある内山田洋とクール・ファイブ(唄:前川清)の影響下にあることを語っています。「恋人も濡れる街角」でフィーチャーされたガット・ギターについては「恋は終わったの」(70年のシングルのB面曲で、81年に再録のうえシングルA面としてリリースされていました)をヒントにしているということです。

演奏のクレジットは公開されていませんが、斎藤誠さんがギターはご自身であると語っていましたので、前述のガット・ギターやイントロでむせび泣くクリア・トーンのエレキ・ギターなども斎藤さんによるものでしょう。また斎藤さんによればベースはサザンの関口和之さんということです(確かに、当時の関口さんらしいベースです)ので、リズム隊はこの82年3月にライブ・アルバムをリリースした桑田さんの変名作品、『嘉門雄三&Victor Wheels Live!』のバンドの面々あたりかもしれません。
追記:2025年7月12日のTOKYO FM「桑田佳祐のやさしい夜遊び」で、ドラムは見砂和照さんであることが明かされました。
このリズム隊と桑田さんによるヘッド・アレンジに、八木正生さんがどこまで関わったか不明ですが、さらには八木さんのスコアによる管弦、コーラスはEVEのお三方、といった感じでしょうか。

タイアップとして(楽曲とは直接関係のない)角川映画「蒲田行進曲」の主題歌として使われ、映画のサントラ盤にも収録されておりますがそちらでは「YOKOHAMAじゃ」の箇所が差し替えられています。
追記:2021年5月29日のTOKYO FM「桑田佳祐のやさしい夜遊び」で、桑田さんのもとにあった俳優としてのオファーの話で「つかこうへいさんがわざわざいらして」「平田満さんの」というキーワードが曖昧にふわっと語られていたため、出演オファーを断った代わりに製作中だったこの楽曲を主題歌として提供した、のかもしれません。

B面「ナカムラ・エレキ・音頭」はエレキ歌謡もので、「六本木のベンちゃん」と「そんなヒロシに騙されて」の系譜に属する曲です。おそらく演奏はA面のリズム隊と同じで、中村さんによると、コーラスというかお囃子・太鼓などはジューシィ・フルーツによるものだそうです(ジューシィは桑田さんと同じく事務所はアミューズ、かつ中村さんと同じくレーベルは日本コロムビアのBlow Up所属でした)。

さて、歌謡づいていた桑田さん入魂のシングルということで、見事前作「マーマレードの朝」から116ランクアップの、オリコン最高5位を記録するヒット曲となりました。また、リリースから1ヶ月後にB面の「ナカムラ・エレキ・音頭」がフジテレビ系ドラマ「おまかせください」の主題歌となり、「おまかせください(ナカムラ・エレキ・音頭)」と改題され、両A面扱いとなり別ジャケット、レーベルの記載も変更されリリースされています(規格番号は変更されませんでした)。


2017年3月29日水曜日

Tommy Leonetti / The Crickets「Wasn't It Nice In New York City」[Ken Gold Songbook]

72年暮れに2組の米国ミュージシャンが訪英しレコーディングを行ないます。一方はTommy Leonetti、50年代から歌手として、そして俳優としても活躍していました。また、もう一方はThe Crickets、Buddy Hollyが結成し、Hollyの死後も現在まで活動継続中の長寿グループです。72年末?〜73年初頭にLeonettiの1枚のシングル、同じく73年初頭にCricketsのLPがそれぞれリリースされました。

このレコード会社も異なる(Leonettiは当時契約していた英CBS/米Columbia、Cricketsは単発で英Philips/米MGMとの契約だったようです)2組が共通して録音したのが、Christian Goldのペンによる「Wasn't It Nice In New York City」でした。


Leonetti版はシングルのA面としてリリースされ、ビルボードのアダルトコンテンポラリーチャートで38位を記録しています。Leonettiのキャリアの中でも珍しく本人のアレンジで、Goldによるメロウな楽曲をいわゆるAC、MOR調に仕上げています。なお、なぜか英盤のタイトルは当初は「(Wasn't It Nice In) New York City」、その後すぐに「New York City」に改題され再リリースされています。



CricketsのバージョンはLP『Bubblegum,  Bop, Ballad And Boogies』に収録され、シングル「Hayride」のB面としてリリースされましたが、チャート・インはしなかったようです(LP自体も英Philipsのみのリリースで、米国発売はありませんでした)。こちらのプロデュースならびにフォーク調のアレンジはBuddy HollyやCricketsと馴染みの深いBob Montgomeryによるものです。

わざわざ渡英録音する米ミュージシャンにまだ無名のChristian Goldの楽曲を取り上げさせたのは出版社の采配によるものかと思いますが、アダルトコンテンポラリーチャートにランクインしたことで、Anniversaryでコケた?Goldが作家としての道を歩むのを決意したのではないかと勝手に思っています。


さて、「Wasn't It Nice In New York City」が収録されているCricketsのLP『Bubblegum,  Bop, Ballad And Boogies』では3曲についてコーラスとしてSummer Wineのクレジットがあります。このSummer Wine、Tony Riversが当時和解したばかりのJohn Perry(もともとRiversがSugarbeatsからPerry等をCastawaysに引き抜いたものの、すぐ脱走され、Perry等はGrapefruitを結成するのでした…)に誘われ、プロデューサーのMike Hurst、元Spencer Davis GroupのRay Fenwickとで結成したグループで、英Philipsから72年6月におなじみ「Why Do Fools Fall In Love」のカバーでデビューしていました。シングル・ヒットが出なかったためLPはリリースされませんでしたが、レコーディングのストックには彼等自身が73年に録った「Wasn't It Nice In New York City」も入っていました。豪快にスクラッチ・ノイズが入った音源(アセテート盤が奇跡的に残ってたんでしょうか?)が、99年にemレコードからCDで初めてリリースされました。


Summer Wine版はいかにも彼等らしいモダンな、洒落たハーモニー・ポップで攻めています。最後のサビ前に付け加えられたスキャットのヴァース、これでさらに展開に締まりを与えた感じがして素晴らしいです(後年のMinnie Riperton「Loving You」等でおなじみの、コードが下降進行していくアレです)。

Tony RiversとJohn PerryのグループがChristian Goldの曲を取り上げるというのもSugarbeatsのことを考えると因縁ですが、たぶんこれがきっかけで、73年にはTony RiversとJohn PerryのコンビであるHollywood Freewayが、RiversとGoldの共作曲を録音、(また元SugarbeatsのMartin Shaerのコネクションで移籍した)英Pyeからリリースすることになるのでした。

また、オーストラリアのシンガーLinda Georgeの75年作『Step By Step』でもこの曲が取り上げられていますが、Summer Wine版で追加されたスキャット部分には「Do you remember Mr. Jones, his wife and baby, boy? They were so tender, had no money, but gave us so much drive...」の歌詞がついています。ということはこのパートもChristian Goldがのちのち順次追加していったものなのかもしれません。