Bookham And Riskettは女性2名のコンビで、Joanne WilliamsとVicki Brownの変名ユニットのようです。Joanne Williamsはもともと英Alaskaからソロシンガーとして前年75年より数枚のシングルをリリースしていました。Vicki Brownは元The Vernons Girlsのメンバーで、グループ解散後はセッションシンガーとして活動していたようです(77年以降、ソロ作のリリースがあります)。どういった経緯でこの2名が引き寄せられシングルをリリースすることになったのか経緯は不明ですが、シングルのA面には当時The Real Thingのヒットを飛ばしていたGold-Denneコンビの作品が取り上げられることになりました。
「We Got A Love」は76年3月に英Alaskaからリリースされました。プロデュースはJohn Schroeder、アレンジはMike Moran。Goldは完全に作曲家としての関与のみのようです。John SchroederはHelen Shapiroの「Don’t Treat Me Like a Child」「You Don’t Know」などの共作者で、Pye期Status Quoや70年代Cymandeのプロデューサーであり、そしてAlaska Recordsの創始者でもありました。Mike Moranは同時期だとJimmy Helmsのアレンジなども手掛けていますが、テレビや映画音楽も幅広く手掛けており、例えばGeorge Harrison監督総指揮の「Time Bandits」の音楽もMoranによるものでした。80年代後半以降のQueen関連でもよく登場しており、Freddie Mercury & Montserrat Caballéの「Barcelona」なんかもMoranとFreddie Mercuryの共作です。当シングルのB面もMoran作でした。
さてさて「We Got A Love」、楽曲はというとGold-Denneコンビのこみ上げる切なさを孕んだ爽やかなメロディを、Moranによるフィリーソウル調の軽やかなアレンジで包むという、この当時のGold-Denneらしい雰囲気に仕上がっています。しかしMoranのこのアレンジ、どう聴いてもこの4ヶ月後にKen Goldの全面プロデュースでレコードデビューを飾ることになるヴォーカルグループRumours、のちのDelegation「The Promise Of Love」にそっくりです。まあ楽曲自体元になった感はあるのですが…Delegationのシングル盤にはアレンジのクレジットは無くProduced By Ken Goldのみですので、これはGold…というところですが(Moranは上物のみ、とかですかね?)、とにかく、このようにポップスの歴史というのは脈々と連なっている、ということがわかるというものですね。
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