1980年10月公開の角川映画「野獣死すべし」の併映作品「ニッポン警視庁の恥といわれた二人組 刑事珍道中」は中村雅俊さん・勝野洋さん主演のコメディ作品でした。
この作品の主題歌となったのが中村雅俊さん自らが歌う「マーマレードの朝」で、作詞作曲が桑田さんによるものでした。どういう流れで桑田さんのところにこの依頼があったのかはっきりはわかりません(とは言うものの、「刑事珍道中」の映画音楽は近田春夫さんが担当で、それは当時近田さんがアミューズ内に自身の事務所を設立し、さらには中村さんと同じコロムビアに移籍したばかりというのもあり、その辺の絡みもあるのかもしれません)。映画公開に先駆け80年9月にBlow Up(日本コロムビア)からシングル・リリースされています。
サブタイトルに「from Five Rock Show」とある通り、同年7月リリースのサザンのシングル「わすれじのレイド・バック」のB面に収録されていた「Five Rock Show」の一部を発展させ一曲に仕上げています。そもそも80年2月以降シングルを毎月1枚、合計5枚リリースするというサザンの企画タイトルが「Five Rock Show」で、最後5枚目のB面に同タイトルで複数の細かい楽曲のメドレー(これはたぶんBeatlesやソロ/WingsになってからのPaul McCartneyあたりがヒントなんだと思いますが)を男性陣で歌い繋いでいくという、遊び心に満ちた一曲でした。この曲の冒頭と、ラスト手前の計2回登場する英詞のヴァースを元に拡張させたのが「マーマレードの朝」でした。サザン版での歌詞(英詞)も基本的にそのまま使われていますが、文法的に・内容的にアレなところが微妙に変わっています。
編曲はこれまた「新田一郎(スペクトラム)」さんでして(ということは演奏も?)、コーダのトランペットとか、どことなく既聴感がありますね。他にも当時の桑田さんの要素がいろんなところで聴こえますが、なにぶんこの頃のサザンといえば趣味趣味音楽全開の頃で、ヒットには至らなかったようです。
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