2016年12月23日金曜日

Anniversary「To Hurt A Friend」[Ken Gold Songbook]


The Sugarbeats解散後、どうなってどうなったか1971年に後のKen GoldことChristian Goldは“あの”Screen Gems-Columbia Musicと契約します。翌72年4月、英Parlophoneから謎のグループ?Anniversaryのシングル「Jo-Jo」c/w「To Hurt A Friend」がリリースされましたが、このAnniversary、どうもGoldのソロ・プロジェクトのようです。両面ともChristian Gold作、アレンジャーはDon Gouldとありますが、これは別にGoldの変名ではなく、元Applejacksのキーボードで、解散後アレンジャーに転じていたDon Gouldでありましょう。

なにしろ売れなかったようでプロモ盤しか見かけないのですが、これを見るとEMI/Parlophoneはあくまで配給で、Screen Gems-Columbia Music原盤であることが記されています。ドイツでもリリースされたようですが、こちらは後にDelegation(GoldのKego Production)が配給契約することになるAriolaからリリースされています。

そして何と、7月には日本でもリリースされていました。設立2年目にしておそらく経営が混乱していたキャニオン・レコードから、しっかり写真の入ったジャケット、八木誠さんのライナー付き、“Christian Gold & Anniversary / クリスチャン・ゴールド”名義でのリリースです。


このジャケットに犬とともに写った男性は、長髪ですが確かに『Denne And Gold』ジャケットのKen Goldと同一人物のように見え、

また日本語表記は完全にソロ名義ですので、やはり実態はGoldのソロと言っていいのでしょう。しかし特に本国から情報は無かったようで、八木誠さんのライナーは半分以上が一般論の前置きで(ご本人も「前置きが長くなってしまった」と書かれていますが)、「噂によるとこのレコードのプロデューサーはあのニュー・シーカーズを育てた人と同じらしい。その真意ははっきりしないのだけれども」なんてあやふやな話しかありません(New Seekers云々は単純に「Jo-Jo」の雰囲気が前年の彼等のDelaney & Bonnieのカバー・ヒットに似ている、というか元ネタなだけなんじゃないかという気が…日キャニオンが目をつけたのもそういう理由かもしれませんね)。


さてそんな「Jo-Jo」のB面に入ったのはサラッとした、同時期の男性シンガーソングライター風な香りもする小品「To Hurt A Friend」です。軽めですが切ないメロディが繰り広げられる、個人的にはA面よりお気に入りの一曲です。A・B面とも後のGoldからするとあまり想像がつかない路線ですが、ソウル路線に舵を切る前に、いろいろやっていたんですね。同年、ニュージーランドのシンガー、Nash ChaseもシングルのB面で取り上げています。

結局Anniversaryの2枚目は無かったようですが、この後、作家として、Sugarbeats元メンバー〜Tony Rivers周辺の仕事が増えていきます。




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