2016年6月4日土曜日
Katie Kissoon「I Need A Man In My Life」[Ken Gold Songbook]
Katie Kissoonはトリニダード出身、60年代にイギリスで、当初はPeanutの名前でレコード・デビューしており(Beach Boys「I'm Waiting For The Day」のカバーなどありました)、70年代になると同じく活動していた兄のMacとKissoon兄妹のデュオとして活動していました。イギリス初めヨーロッパのチャートにいくつかのヒットを送り込みますが、80年代になるとそれぞれまたソロ活動に戻り、Katieは裏方として、コーラスの仕事を増やしていく一方、いくつかシングルをリリースしていました。83年からJIVEと契約し、84年にリリースされたシングル「I Need A Man In Life」がGold-Denne作品で、プロデュースはKen GoldとPete Q. Harrisがクレジットされています。
前年の「You're The One」などは黒っぽいエレクトロ・ファンクといった感じでしたが、「I Need A Man In Life」はKatieとしても、そしてGold作品にしても珍しい、明るく楽しいアッパーなハイエナジー路線の楽曲です。Goldらしいベタでポップなメロディにいかにもハイエナジーらしい打ち込みシンセサウンドで、Goldとしても新たな挑戦の一曲だったのかもしれません(結局この一曲しかこの路線は無かったようですが…)。Pete Q. Harrisは同時期に同じJIVEからリリースされているBilly Oceanの大ヒット・アルバム『Suddenly』にフェアライトのプログラマーとして参加しており(Katieもコーラスで参加しています)、この楽曲でも打ち込みを担当しているのでしょう。B面はAcappella Mix、また12インチではExtended Club MixやDub Mix等別ミックスが収録されました。
そしてこの曲がGold-Denneコンビとしては最後の作品のようです。約10年作曲活動を共同で続けていた二人がコンビ解消した理由は全く分かりませんが、コンビ解消後も、Goldはペースは落ちるものの引き続き作曲家・プロデューサーとしての活動を続けていきます。1985年にJIVEからリリースされたイギリスのキッズ・ソウルもの、Warren Mills『Warren Mills』収録の「Flame In The Fire」はBilly OceanとGold、さらにPete Q. Harrisのトリオ作・プロデュースで、「It's Particular」はOcean-Gold作、Ocean-Harrisプロデュースのクレジットがあります。前者は同時代的なシンセ・ファンク、後者はオールディーな60年代シャッフルものをシンセ・サウンドで彩った、いずれも当時のBilly Oceanの色が強めな雰囲気でしょうか。
そしてこれ以降80年代後半、Goldの作曲家としての活動は把握できておらず新曲も私の知る限りあまり見当たらなくなるのですが、89年からの数年、突如大物たちへの楽曲提供が続きます。
ラベル:
Ken Gold Songbook
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